シド工日記 (しどこうにっき)

仏師の流れをくむ彫刻一家にたまたま生まれ、私自身は5代目の彫刻家です。田島享央己(たじま たかおき)と申します。美術界の「フチ」にかろうじて手をかけている者ですので、どうかご存知のない方はこれを機会に覚えていただけると嬉しいです。

田島家の彫刻家三代噺

 右端の白衣姿の人が、僕の祖父、彫刻家の田島亀彦です。





画像 001

その隣、台にあぐらをかいている人が…。






粘土で作った彫刻です。





















僕が御幼少の折、初めてこの写真を見たとき、





ビックリしてすわりしょんべんして馬鹿になってしまいました。










それからずっと馬鹿です。














 僕のおじいちゃん、田島亀彦は、


明治22年6月28日、熊本県八代市日奈久町に、仏師田島慶三郎の三男として生まれました。

僕のひいおじいちゃんも彫刻をやっていたのです。


慶三郎の父、つまり僕のひいひいおじいちゃんも、

どうやら仏師だったらしく、


それから数えると僕が5代目になります。





 亀彦おじいちゃんは、幼い頃からノミを持たされて木彫の手ほどきを受けていたそうです。

17歳の時、京都に出て小仏師並川新次郎、大仏師田村正運に師事。

3年間みっちり伝統的木彫の技を研究しました。




 20歳で召集され、軍務についた後、明治45年、東京美術学校(現東京芸術大学)彫刻科木彫部を受験。

その実力を認められ、いきなり3年次に編入されます。


卒業後は、彫刻家の朝倉文夫に師事し、朝倉彫塑塾の幹部として後進の指導にあたった。

大正11年、第4回帝展で初入選、以後、昭和2年の第8回帝展まで連続入選を果たした。


しかし、昭和3年以後、突然と中央への出品を止めた。その理由は明らかではないが、

帝展側と朝倉彫塑塾とのゴタゴタや、彫刻に対する考え方の相違が原因であったと言われている。



昭和19年、戦火を避けて活動の拠点を熊本に移し、制作のかたわら後進の指導にあたって行く。




昭和57年、9月16日熊本市で死去。93歳でした。















おじいちゃんの作品です。第5回朝倉彫塑塾彫塑展覧会と書いてあります。









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コレも朝倉彫塑塾彫塑展覧会の出品作です。

画像


徹底した写実による肖像彫刻は、もの凄い緊迫感があり、

「どうもすみません。」としか言えません。


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「対象を忠実に見極め、切れば血の吹き出すようなものを作れ。」と言っていたそうです。

まさしくその通り、切れば血を出して文句を言ってきそうです。


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右端がおじいちゃんです。石膏取りの珍しい写真。粘土をかき出している最中ですね。

良く見ると裸足です。お弟子さんも靴下だけ。師匠の朝倉文夫の教えでしょう。

朝倉文夫はアトリエの床をピカピカに雑巾がけをして、裸足で制作したそうです。

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安達謙蔵像、昭和15年熊本市蔵

作品17

やさしい、自然主義的な造型です。この方の人柄もわかるようです。














一番最初の写真に写っていた彫刻です。ブロンズになって熊本市島崎町の三賢堂に安置されています。


作品16

菊池武時公 昭和11年熊本市蔵




 菊池武時は、護良親王の命を受け、

鎌倉幕府九州探題の北条英時を、博多に攻めて討ち死にした武将です。







凛として座し、瞑想を誘うような一種独特な雰囲気をかもし出しています。




傑作です。




































時は流れ…、おじいちゃんの息子、


つまり、彫刻家である僕の父、

田島義朗も、何の因果か菊池武時を作っています。粘土の状態です。↓






























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熊本県菊池市にある、菊池神社に安置されています。


菊池武時p7














父は、おじいちゃんの菊池武時の制作時を間近でみているはずですから、注文が来たとき

奮い立ったはずです。



「さぁ、こい。やってやる!」と思ったはずです。























僕は、コレを父が作っていた時の事はちゃんと覚えています。

ずいぶん小さい時でしたので、よく分からないのですが、

もの凄い迫力に、ビックリしてすわりしょんべんしてバカになってしまいました。



























バカの重ね塗りです。








































時は流れ…。










僕もやることが無いので彫刻家になり、騎馬像を作ることになります。





















注文は来ませんから、勝手に奮い立ちます。














「さぁ、やってやる!これが俺の菊池武時だ!」と作ったのがコレです。↓




































































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凛とした裸で馬に乗り、瞑想を誘うような一種独特な雰囲気を醸し出しています。



傑作です。











































これを彫るのに使った道具はおじいちゃんのノミです。


おじいちゃんは、木彫もべらぼうに上手かったのです。





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伝説中の伝説。不世出の天才。刃物鍛冶の名人。千代鶴是秀のノミ。


「今、千代鶴を実際に使っちゃっているのは、日本で田島くんだけだよ!」


と、彫刻家の岩野亮介さんに言われました。




すわりしょんべんを2回も経験してバカになってしまっていますので、これからも使いまくっていきます。









RIMG0011馬少




「これが菊池武時かい?しょうがねぇ孫だな。」と、あの世で苦笑いしているかな?






































僕が彫った、この作品。『もう角はいらない』です。


(詳しくは、シド工日記2011年5月の記事「田島家の三世代の彫刻家」を御覧下さい。)


鬼1


この鬼を、あるコンペに出品しました。


父も一緒に作品を出品しました。



親子で勝負です。




去年も一緒に出して、父は受賞、僕は入選。










今年こそ、と思いこの鬼を出品しましたが、


全く同じ結果でした。



父は2年連続、実行委員会特別賞を受賞。







父の作品です。↓























画像 006



一木で彫り出しています。「信号待ち」というタイトルです。

お酒を呑みながら、よちよち彫っていました。


画像 010





うちの父の芸というのは、一言でなんだっていうと、はっきりいって、よくわからないんです。

とにかく、なにかの魔力をもった人です。




妙な調子でおかしいとか、そういうのじゃないのです。

ちゃんと、もの凄く計算されているはずです。




上手いだろうとか、おかしいだろうとか言うような、そういうところはけっして見せない。

「あの人は上手いねぇ」とか「ああいうところが上手い」とか感じさせているうちは、

ホントの意味では、まだ、上手いんじゃないんで、もう全然そんな事を感じさせません。






























父は酔っ払って仕事しているし、僕は千代鶴是秀のノミでちくわを彫っていたり。




















おじいちゃんは、


  「しょうがねぇ息子と孫だな。」




と、あの世で苦笑していることでしょう。









































そんな、出来損ないの孫の近況です。



材を切り出して、新作を彫っていきます。

新作 002






1つは、マリオネットを作ります。

今回も、行き当たりばったりの出たとこ勝負でやります。

僕もどんなのが出来るかわかりません。





新作 003



あと、いくつか同時に彫っていきます。


新作 004









なんとなく、さみしいので材を付け足しました。






新作 005



髪の毛か、角か、何だかわからないですが、トンマな表情が出せそうです。



新作 006


















同時に制作している作品。


来年の年賀状に使うため、龍を彫っています。





龍は見たことないので、これが写実の限界です。


右の作品は、火星人です。

新作 007


火星人も、見たことがありません。


ですから、これが僕の写実の限界です。




妻にタコと言われましたが、僕は烈火の如く怒りました。

これは、火星人です。



新作 008



左の作品は、火星人の乗り物、UFOです。

UFOの木彫を、千代鶴是秀で彫るときの快感ったらありません。


新作 009



いけないことをしている背徳感は半端じゃありません。


















もの凄い間抜けな龍になってしまいました。


新作 010







妻は笑ってくれましたが、相変わらず心配そうな目で僕を見ます。











新作 011





この猫も同時に作っています。ビックリする猫です。






新作 013



無類の猫好きですので、作りながらニヤついてしまいます。


新作 001











一足先に、火星人とUFOの彫りが終了です。



新作 012


近頃の宇宙人ときたら、みな『グレイ』と呼ばれるタイプなので、まったくピンときませんし

色気も素っ気もありません。







「宇宙人つったら、こうでしょう!?」





と、僕は声を大にして言いたいのです。























このタコは、後で赤く塗って、目をはめ込んで完成です。




それはまた次回に。






































マリオネットの荒彫りをしているところです。













新作 014



完全に、カラ馬鹿の表情に神々しささえ感じます。





新作 015



これは、僕の彫刻『いもむしくん』の化身ということにします。






新作 016


触覚に、いもむしくんの名残が見てとれます。







さらに、彫り進めていきます。

新作 017


アホだけれども、品があるいい顔にしなければなりません。


新作 018


いもむしくんの神様です。いい顔になってきました。

新作 019





今回の制作工程はここまで。












次回を楽しみにしていてください。































最後に、




この間、出来上がったばかりの木彫マリオネットが、

おかげさまで売れました。

11月いっぱいまでは、東京の飯田橋のパペットハウスさんに展示してあります。

よろしければ、御覧になってください。









『大男と女の子』の未公開アウトテイクの踊りをどうぞ!










































今日も来てくれてありがとうございました。
  1. 2011/11/19(土) 08:15:38|
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いろいろな話をしていきます。

 先日、妻とケンカした。






原因は、僕の腹巻に

妻が勝手にマジックで名前を書いたからです。


















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猛烈に抗議しましたが、妻は大笑いして

まったく取り合ってくれません。



それでも、しつこくしつこく尋問していたら、















    











「あんたが土佐衛門になった時、便利やろ。」













と、切れ気味におっしゃったので



















    「…そうかい。」











と、僕は言い、台所に行ってホッと一息つき、牛乳を飲みました。





















それから、

おもむろに、晩ごはんの仕度に入ります。






冷蔵庫から、トウフを出して







味噌汁に入れるために包丁で切ろうとした時、




























そのトウフの造型美に気づいてしまいました。









もちろん、腹には名前入りの腹巻をしたまま。






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 トウフは、いはゆる食べ物の一つであるから、あらゆる人が食します。

しかし、僕のような彫刻家がトウフを見て、とりわけ感ずるのはその彫刻美である。


トウフは、彫刻の延長であるもののような気さえしてくる。








僕はこの「トウフの美」を木彫で表してみたくてたまらなくなり


翌日から一心不乱に彫り始めました。









ノコギリで、大まかな木取りをします。





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彫刻家のブランクーシが、

四角い石を指差しながら弟子に言ったそうです。








    「この、四角い石の強さと美しさに勝てるなら彫れ。勝てないなら彫るな。」










僕も、四角くした木を目の前に戦慄します。





















     「もう、出来てないか?」































…いや、「トウフの美」にはまだまだ遠い。


余計な事は考えるのをよして、ガンガン彫っていきます。







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 一般には、彫刻は動かないものと思われていますが、

実は動くのです。


彫刻の持つ魅力の幾分かは、この動きから来ています。

しかし、物体としての彫刻そのものが動くわけはない。



ところが彫刻に面する時、見る人の方が動くから彫刻が動くのです。

一つの彫刻の前に立つと、まずその彫刻の輪郭が目にうつる。

見る者が一歩動くとその輪郭がただちに揺れる。


そうして彫刻の輪郭は、まるで生きているように転変するのです。







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唐招提寺の鑑真和上の坐像のような彫刻を見ていると、まるで呼吸しているような微かな動きを感じます。


これは、見る人の呼吸の動きです。

もともと動かない筈の彫刻という物体に、

動きを感ずるところに彫刻の持つ神秘感の物理的根拠があるのです。









僕のトウフも、

モゴモゴ動き始めました。













ここで刀を置き、彩色して完成となりました。↓
















































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僕は、トウフの美しさに肉薄した喜びでいっぱいです。




僕は、早く妻に見て欲しくて自宅に駆け出しました。




手の平にトウフを乗せて、おもいっきり駆け出しました。












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腹巻の一件で、険悪な雰囲気になっていたので、

これをきっかけに好転出来ないものか?と考えていました。



たぶん、キャーキャー言って喜んでくれるに違いない。




トウフを手のひらに乗せながら走る僕は、きっとニヤニヤしていたに違いありません。


























息を弾ませながら、トウフを妻に見せました。




































































     「ふーん。…で、湯豆腐なの?冷奴なの?」















































頭を、金槌で殴られたような衝撃でした。




























僕は、トウフの白さや、柔らかさや、形態にばかりとらわれ

肝心なことを表現し忘れていたのです。









彫刻家は「卵」を作っても、それが「ゆで卵」なのか、「生卵」なのか作り分けなければ一流とは言えません。


















今度は、トボトボと

トウフを手のひらに乗せ、歩いてアトリエに戻りました。




「トウフなんざぁ、すぐ作れるさ!」などと考えていた僕が甘かった。



本物のトウフがすでに彫刻である以上、それをさらに彫刻に刻む時、

制作の余地がなく、

その彫刻は食品サンプルの意味しか持たないようになる。


再芸術は低くしか成立しない事を立証する一例と見る外はないでしょう。




















アトリエに着き


僕は、本格派からカワイイ路線に変更する事にしました。


『トウフ』から『とうふくん』にしてしまおうというのです。


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『とうふくん』です。


これでもう、湯豆腐なのか冷奴なのかなんて

いちゃもんをつける隙はありません。



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ところで、4月26日から千葉県立美術館で僕の作品が展示されてます。


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美術館の周りには、大きな野外彫刻が置かれていています。


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美術館の中はこんな感じに展示しています。






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色々な作品がたくさん並んでいます。





僕のは、奥の端っこに立っています。

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野外には『とうふくん』はありませんのであしからず。

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4月26日から5月8日までやっております。








29日はギャラリートークです。

僕も出ますので、新しい腹巻を手土産に来てください。
















今日も来てくれてありがとうございます。

  1. 2011/04/25(月) 19:16:17|
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地震あれこれ

 先日、

電車に乗っていた時のことです。





僕は座席にすわって、本を読んでいました。











読んでいた本はこれです。↓




千代本



この間、

うちにあるノミが、伝説の名工『千代鶴是秀』作ということが発覚しまして

あわてて勉強しだしたわけです。

ちよ







祖父が千代鶴是秀に注文してあつらえたものです。↓

ちよのみ








こんな本を、真剣に電車の中で読んでおりました。



すると、女学生二人が僕の正面に座り、ペチャクチャお喋りをはじめました。






僕は、「刃物の写真集」という興味の無い人には、変態にしかみえない書物を

血眼で熟読しておりますので、気になってしょうがありません。




    







    「誠にどうも怪しからん…。」











と、ヒョイッと女学生の方を見ると

二人ともそっくりな顔をしていて、姉妹のようです。双子かも知れません。





しかも、どっかで見た顔でした。






僕は、こんな若い女学生に知り合いも居ませんし、親戚にも居ません。








    「でも、どっかで会った事があるなぁ…。」







と、しばらく考えていましたが、どうしても思い出せません。



























僕は駅に着いたので、なんだか釈然としないまま電車を降り、帰宅しました。







家に着いて、妻にこのことを話しましたが、



    「ああそうかい。」


と、てんで相手にしてくれません。




















それよりも、千代鶴是秀の「刃物の写真集」に興味深々です。

やはり、「刃物の写真集」という一種変態的書物のインパクトに面白さを覚えたようです。



















その面白さを、友達に知らせたくなったのでしょう、メールを打ち始めながら僕にこう言いました。
























    「えーと、その人なんつったっけ?両口屋是清だっけ?」





















   「老舗の和菓子屋じゃぁないんだから。」











と、僕は静かに言いました。









「ひょっとこ」のことを、妖怪の一種だと思っていた妻は、

千代鶴是秀という名前をなかなか覚えません。



最近では、「千代に八千代に」とか言いだす始末。



千代しか合ってないし、それじゃ「君が代」の歌詞を言っただけです。



























話は変わりまして、




 

 最近、地震に敏感になってしまいました。


いつも揺れてるように感じて困っています。





足を組んだり、正座すると動脈が圧迫されて、

ドックンドックンと身体が動きますので、





  




   「地震だ!!」







なんて、飛び起きざまに、


窓ガラスに映った自分が着ているTシャツのモナリザに











    「人がいる!!」








などと、一人で騒いでいると、情けなくって涙が出てきます。



モナリザ



このTシャツは、もう二度と着るもんか!といつも思うのですが、

忘れた頃に着てしまい、いちいち驚いてしまいます。





この一連の流れ(動脈でビックリ→Tシャツで腰を抜かす)はしっかり妻に見られ

めちゃくちゃ軽蔑されました。





















そう言えば、

この間の地震の時、こんな事がありました。







アトリエで妻と一緒に居た時に地震に遭遇したのですが、

物が沢山落ちてきて危険だったので、二人して表へ駈け出しました。







町全体が、ガッサガッサ動いていました。

しばらくして、揺れがおさまりまして…、



僕は恐怖で顔を強張らせ、呆然と立っているしか出来ません。



そして、横にいた妻が顔面蒼白のままこう言いました。
























    














      「こぉわぁかったぁ~❤」





























未知やすえのマネをしたんです。↓






































誠にどうも怪しからん奴だと思いましたが、偉い!と褒めてやりたくなりました。


































地震で、この『猫に蛸』もコロンと棚から落ちましたので、

キズのチェックをしていた時です。




僕は重大な事に気付いてしまいました。



 
 猫蛸

































    

















    「あの、女学生に似ている…。」
















赤ら顔で、口はとんがり。つぶらな瞳。


どこをとっても、あの電車の中の女学生姉妹に瓜二つです。



年頃の女性をタコに似ているなどと言うのは、

誠にどうも失礼な話ですが、しょうがありません。









写真に撮っておけば良かったと悔やまれます。









本当にそっくりだったということは、僕しかわかりません。


それが悔しくてなりません。






僕の作品にそっくりな姉妹が居たという感動を、

どうしても皆さんと共有したいという執念にも似た感情が

ふつふつと沸いて来ました。










そこで僕は、

写真が無いので作品の方を女学生姉妹に近付けてみました。












まずは、向かって左側に座っていた女学生です↓































猫蛸かつら1

























つづけて、右側に座っていた女学生。↓
























猫蛸かつら2












































これはもう、ホントにそっくりです。

めちゃくちゃ似ています。








いつか、偶然にもあの姉妹にまた会えたなら

この作品をプレゼントしたい位です。

































しかし、見ず知らずの男に、



















    「はい、あなたにそっくりなタコの彫刻です。」
















と、言って渡されたら確実に僕は殴られてしまうと思うので止めておきます。
















今日も来てくれてありがとうございます。


  1. 2011/03/29(火) 09:59:52|
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地震後の話です。

 現在、僕はおかげさまで無事ですが、

これからどうなるか、不安と緊張が続きっぱなしで

非常に暗い心持ちです。





日本中の人が同じ気持ちだと思います。







そこで、このブログのリンクでもおなじみ、『銀窯日記』の陶芸家であり彫刻家である鈴木厚さんが、

ご自身も茨城県で被災されているにもかかわらず、ブログを更新されました。


読後、なんだか気持ちが少し軽くなってきたようでした。









     「あぁ、僕もなんか書こう…。」







と、思った次第です。





非常に書きにくいですが…。












それから、

わざと、

いつもよりクスグリを多めにちりばめていきますので

勘弁して下さい。

























 今回の大地震があった時、

僕はアトリエで仕事をしていました。

ちょうど妻も一緒にいました。



塗料や道具、作品などがバッサバッサ落ちてきて

めちゃくちゃ怖かったです。



アトリエ床

父の作品は棚の高い位置にあったので、

落下してずいぶん壊れました。

作品壊れる



僕の作品はわりかし低い位置だったので、落ちてもいくつか壊れただけでした。









そんな中で、ギリギリセーフの絶妙なバランスで踏ん張っている作品がありました。



















とらちゃん



揺れてる最中は、紙相撲のようにトコトコ動いていたのでしょう。




地震がおさまった後、この状態を発見して

あまりの健気さに思わずシャッターを切ってしまいました。

















 





 落下しても壊れなかった作品もありました。

























ちくわ最強





ミケランジェロが

         



      「山の頂上から転がしても壊れないのが良い彫刻だ。」






と、言っていたと思いますが、

そうなると『ちくわ』は傑作です。ビクともしませんから。

























それから、



計画停電なるもので、夜は暗いです。



僕が小さい頃は、停電なんざ

のべつまくなしであったと思います。



いつの間にか停電無しの電気使いまくり生活になってしまっていたようです。






ですから、夜の闇というのは久しぶりでした。












停電


ロウソクの明かりをボンヤリ見ていると、

うちの猫が寄ってきました。



ロウソクの火は初めて見たはずです。



この写真は、匂いを嗅ごうとして熱さにビビっている決定的瞬間なのです。









本も読めないので、ひたすらボンヤリ炎を見ます。






ロウソクの明かりというのは、誠に美しいもので、





         「ラ・トゥールの絵みたいだ…。」





と、僕はつぶやきました。






















↓これがラ・トゥールの絵
ラ・トゥール












横に居た妻は、そのロマンチックな感じが気に入ったのでしょう。


僕のセリフをパクって、

自分の友人にロウソクで過ごして居る旨をメールで知らせるために携帯を打ち始めました。

























メールを打ちながら、妻が質問してきました。




     









     「さっきの画家なんつったけ?…ラタトゥーユだっけ。」














     



















     「フランスの煮込み料理じゃないんだから。」











と、僕は静かに言いました。































だけど、この只ならぬ緊張感の中に、時折こういう『笑い』が入るとホッとします。












犬養毅を、クレージーキャッツのメンバーだと思っていたり、


福助を、七福神のメンバーだと思っていたり、


明智小五郎を、忠臣蔵のメンバーだと思っていたりする妻のおかげで、






地震後も、少しだけ明るく過ごせているみたいです。




















日本が落ち着いたらラタトゥーユを作ってあげようと思います。







今日も来てくれてありがとうございます。



  1. 2011/03/16(水) 08:46:47|
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いろいろな話をしていきます。



 先日、ビールのおつまみに、カマボコを食べた時の事です。



妻が切って出してくれたのは良いのですが、


当然このように、板が残ります。


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骨の髄までしみ込んだ貧乏気質ですから

このカマボコの板を見ると、もったいなくて捨てれません。

ゴミ箱の前で「なにかに使えないかしら。」

と、何時もモジモジしてしまいます。








「あんたの墓にすればいいじゃない。」





と、マジック片手に満面の笑顔で駆け寄ってきた妻を邪険にするわけにはいきません。




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「俺が参っちまった時はな。どっかの空き地の金魚のお墓の隣りに埋めといてくれ」

と、付け加えてマジックを静かに置きました。

















お墓問題が片付いたところで、東京マラソンを走ってきました。




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5時間13分でゴールしました。




















最近読んだ本の中で、おススメ。








滅茶苦茶な豪傑さん。若山と勝新の兄弟


この二人の子分、山城新伍の回想記。




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僕は豪傑さんに強く憧れるのですが、毎日せこせこ走ったり、お墓はカマボコですし

まったく豪傑IQが低いのが悩みです。














57歳で第一子、60歳で第二子、63歳で第三子を授かった、

ドラマ「北の国から」の演出家の杉田成道の本です。




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久しぶりに号泣してしまいました。







昭和の大名人、六代目三遊亭円生の本です。 これもめちゃくちゃ面白かったです。

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円生師匠の言葉で、僕がいつも肝に銘じているものがあります。










弟子が、円生師匠にこう聞いたそうです。


「師匠!初めてその噺を覚えたネタ下ろしの時はそこそこウケルのですが、ところが二度目にやるとどう言う訳  か、しらけるコトが多いのはどう言う訳でしょう?」

「そりゃあ当り前だ、いいか!芸と言うものは砂の山だ」

「砂の山?」

「砂山を登ると崩れてズルズルと滑べる。それが芸でげす。良いか芸てえものは、なにもしないとドンドン下がる もんだ。毎日少しずつ下がってる。だから最初にやった時は、一生懸命覚えて必死にやるから受ける。ところが それからなにもしないと芸が下がる。下手になるから受けないんだ」

「はあ、なるほどではどうしたら受けるようになるんでしょう?」

「良いか。芸人はすぐ勘違いをする。おれは稽古をしてるから芸が上達してるだろう。ところが砂山ではいつもズ ルズル下がっているから。少しぐらい稽古したんじゃあ。滑った分だけ上がる。つまり同じとこを行ったり来た りするだけだ。つまり自分じゃ上手くなってるつもりでもちっとも上達してない。だから上達しようと思ったら 崩れる以上にいつも稽古をしないと上には登れない。それが芸でげす」































話はかわって、









僕が普段使っている道具は、ほとんど祖父か、父があつらえたモノです。

どっさりあるので自分で買った事もありません。



どうして彫刻家になったのですか?と聞かれたら、



「道具がいっぱいあってもったいないと思ったから。」


と答えるくらいです。



特に、祖父の道具は高価なモノが多く、第一級の鍛冶屋に作らせたノミばかりです。

めちゃくちゃ切れます。ずーと切れる刃ばかりです。


しかし、鼻ったれ小僧の時分から、当たり前の様に家に転がっていたモノなので

僕はわりあい道具には無頓着です。(もちろん大事にしていますが)

もうバンバン使っています。







そんな道具の中に、

明らかに他とは違う切れ味の道具が、何本かあります。




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木にささっていく時の感触が「ぬぅ~」っとしてると言うか…、いや、違う。



「すねぃぃ~」っとしてると言うか…、いや、








「ぺょぉぬぉ~」ってしています。


















いや、やっぱり「ぬぅ~」です。





「ぬぅ~」っと入っていってポンって切れます。


で、切れた後の木が『ビカッ』と光るのです。




こんな調子ですから、当然お気に入りで

研いでは使い、使えば研いでの大活躍です。





「…でも、これなんだろう、銘は梵字一文字だし。」




と思って居りましたが、帰来の道具無頓着気質ですから、




「ま、いいか。テヘっ。」



と、末っ子坊っちゃん気質丸出しの了見で、調べも聞きもせず。










先日、敬愛する超絶技巧博覧強記刃物博士彫刻家の岩野亮介さんのアトリエに遊びに行った時のことです。

(このブログのリンクから岩野さんのページにいけますので是非ご覧ください)




     
「梵字一文字の銘が入ったノミがあるのですが…。なんですかねぇ。」






と、何の気なしにボンヤリ聞いてみたら、



     



「千代鶴是秀じゃない!?」




と、驚いた御様子をした瞬間、きびすを返してアトリエから出て二階に駆け上がって行き、

またすぐ駆け下りてきました。





「千代鶴是秀」の本をもってきてくれたのです。



僕は驚いてしまうやら、恐縮してしまうやらでドギマギしています。



とにかくスゴイ刃物だそうです。






『 千代鶴是秀 (本名 加藤 廣) 1874~1957

米沢藩代々の刀匠の家系を受ける、七代加藤長運斎綱俊の孫。

綱俊の後を叔父の石堂運寿斎是一が継ぎ、その後是秀が継いだ。

明治・大正・昭和にかけての不世出の名工。

昭和32年、東京中目黒で84歳で亡くなる。』















あぁ、これは大変なことをしてしまった…!。

不世出の名工がこしらえた道具で、ちくわやいもむし君をこしらえてしまった…!。


もう使うの止めて、大事に保管しなきゃいけない…。















しかし、祖父、父、がドシドシ使ってちびてしまった

『千代鶴是秀』をまじまじ見てみると、使わなきゃ駄目だなぁと思います。








これが、ちびて無くなるくらい仕事しなきゃ

祖父と父に申し訳がたたないのでは、と考えるようになったのです。

























話はかわりまして、





先日、

ヨーグルトが食べたいので、奥さんに頼んだら



「バナナヨーグルトにしてあげる。」との優しいお言葉。











出てきたのが、これ。



























IMG_1354.jpg







美味しかったです。






今日も来てくれてありがとうございます。

  1. 2011/03/07(月) 13:54:20|
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