シド工日記 (しどこうにっき)

仏師の流れをくむ彫刻一家にたまたま生まれ、私自身は5代目の彫刻家です。田島享央己(たじま たかおき)と申します。美術界の「フチ」にかろうじて手をかけている者ですので、どうかご存知のない方はこれを機会に覚えていただけると嬉しいです。

展覧会顛末記と新作彫刻のご紹介

 みみずです。

IMG_7252.jpg



みみずちゃんが出来ました。

前回のシド工日記でご紹介した

みみずちゃんのデッサンを元に立体化したのです。



IMG_6609.jpg





こういうモノを作ると妻が心配そうな顔をします。

売れないからです。




























ですから、こういうデッサンもすごく嫌がります。


















IMG_7258.jpg

















怒られるのが嫌なので

見つからないように、隠れて描きます。


だけど、よく見つかります。



真面目にやっている時は、アトリエに来ないのに

「みみず」や「のり巻き」などをデッサンしだすと現れて小言です。




だけど僕は「みみずちゃん」を完成させました。




個展に出品して、

お客様に、「なにこれ気持ち悪い」かなんか言われてキャッキャキャッキャしようと思ったのです。



調子に乗ってヘビも作りました。



IMG_7253.jpg


「やだこれウンチみたい」かなんか言われてキャッキャキャッキャする予定でした。






そして、


「売れなかった(泣)」

「それみろ。ボケナスが。(怒)」

「すみません(反省)」



という一連の流れで、キャッキャキャッキャ楽しいシド工日記を書く予定でしたが

みみずちゃんもヘビちゃんも売れました。






IMG_7254.jpg




仕込んでいた、せっかくのネタも台無しです。




















人間、慌てた時、水が飲みたくなるって本当です。





「みみずちゃんください」と言われた時、僕は三杯飲みました。















みみずちゃんの件では、妻に虐げられてきたので

早く帰って「ざまぁみやがれ」と啖呵を切りたいと思いました。




帰りの電車の中で、色々と威勢のいいセリフを考えました。





考えましたが、

「ざまぁみやがれ」と

「こんちきしょうめ」しか思い浮かびません。



学校でもっと勉強していれば良かったなぁと思いました。



この二つの無限ループだと、必ず返り討ちに遭います。

啖呵を切るのは止めて普通に報告しました。








妻はすごく喜んでくれましたが、あまり驚きません。

僕が水三杯飲んだところでも、ちょこっと驚いたくらいです。

もう少し驚いて欲しかったけど、しかたありません。






















みみずちゃんは、ずっと僕の手元に居る奴だと思い込んでいたので

ちょっぴりさみしい気持ちです。


僕が八十幾つかの漠々のおじいちゃんになって、みみずちゃんを手のひらに乗せ

ホーレホレかなんか言ってお客様とキャッキャキャッキャするのではないかとボンヤリ考えていました。










































会期が終わって搬出。アトリエに戻ってきた時の写真です↓


IMG_7007.jpg


おかげ様でほとんど売れたので、これから梱包と発送の作業が待っています。



はじっこの方に「びっくりするコアラ」が写っています。


僕も気に入っていて、評判も上々だった奴です。












このコアラ、



題名変更します。

















































「まさか自分が売れ残って、こいつが売れるとは!とびっくりするコアラ」です↓




















IMG_7243.jpg




今回、僕の次に驚いてくれた、このコアラ。

IMG_6980.jpg


「タイトルを変えてやろうじゃないか」という慈悲深い方のご連絡をお待ちしております。



































































と、いうようなわけで個展が終了いたしました。

沢山の方に来ていただきました。本当にありがとうございます。




前回のシド工日記に、載せきれなかった作品をざっとご紹介します。








































マンドリル能面です。


IMG_6741.jpg

実際に被って遊べます。






ヤギのハンティングトロフィーです。

IMG_6810.jpg

壁にかけて飾ります。






カラフルふくろうちゃん。


IMG_6754.jpg


手をバタバタ動かせます。








びっくりするきょうりゅうです。


IMG_6731.jpg


肉食恐竜がチラッと見えて固まっている様子です。








木彫マリオネットのはちくんです。


IMG_6873.jpg


アルパカと。

IMG_6901.jpg


ハシビロコウの上に乗って。

IMG_7255.jpg










オムライスの身代わりになるイモムシくん。


IMG_6898.jpg

イモムシくんが、食べられちゃいそうなオムライスを助けたわけです。

IMG_6896.jpg


IMG_6895.jpg

組彫刻ですから、色々な飾り方が出来ます。
IMG_6894.jpg


IMG_6892.jpg


IMG_6893.jpg



オムライスくん

IMG_6887.jpg


襟足が長めです。

IMG_6888.jpg



後ろ姿。

IMG_6889.jpg



はちくんと。


IMG_6897.jpg









金太郎と熊。




IMG_6775.jpg


ちょっと不良の金太郎と熊です。

IMG_6771.jpg


キャベツちゃん。

IMG_6784.jpg


発作的にキャベツなぞを彫ってしまいました。



IMG_6796.jpg


IMG_6794.jpg



くらげちゃん。

IMG_6818.jpg


IMG_6795.jpg


IMG_6815.jpg


IMG_6900.jpg


IMG_6899.jpg


























この二人は、個展終了後、飯田橋のパペットハウスさんのところに居ます。

お近くにお越しの際はちょっとのぞいてみてください。

「シド江ちゃん」と「はちくん」



IMG_7068.jpg














次に、会場の様子を。





入って正面です。

IMG_7222.jpg


奥から入口です。

IMG_7235.jpg


IMG_7227.jpg

















等身大の猫です。

IMG_6956.jpg







等身大の女性像。

IMG_6957.jpg














まった倶楽部というタイトルです。デッカイ将棋なんです。

IMG_6962.jpg













オランウータンの赤ちゃんとハト。

IMG_6960.jpg









白クマ。


IMG_6961.jpg











動物たち。


IMG_6955.jpg











奥の陳列風景。

IMG_6910.jpg




IMG_6969.jpg




IMG_6972.jpg



















みみずちゃんに負けて放心状態かつヤケクソなコアラ。































IMG_6971.jpg






ロボットちゃんも展示しました。


IMG_6974.jpg


















気持ち悪い二匹をしたがえて、びっくりするパンダ。


IMG_7226.jpg


等身大の女性像。


IMG_7231.jpg



ご存じ、ちくわ一門。

IMG_7230.jpg



くらげちゃんときょうりゅう。

IMG_7229.jpg



ひっくりかえる猫。

IMG_7228.jpg






























このカニが、びっくりするくらい魅力が無くてお気に入りなんです。なんで作ったのかわかりません。













IMG_7225.jpg


今はアトリエにあるのですが、笑っちゃうくらい魅力がない。かなりの問題作です。

今度、改造して可愛くなるかの実験をします。






















IMG_7238.jpg





IMG_7237.jpg





IMG_7234.jpg









この時はまだ普通の「びっくりするコアラ」


自信に満ち溢れています。







IMG_7236.jpg



IMG_7232.jpg


IMG_7239.jpg


IMG_7240.jpg

IMG_7223.jpg



































会期終了後。

残った作品のうち、これらをギャラリーの常設展示として置いてきました。


IMG_7242.jpg


気になる子がいたらギャラリーの方に声をかけて頂ければ、出してもらえるはずです。




























会場の様子を動画で撮影しましたのでご覧ください↓















































そんなこんなで

展示会は無事終わりまして、



会期中、ご注文いただいたモノをバンバン彫っていきます。














チェーンソーで木取りしたり、

IMG_7244.jpg


木工機械を使って楠を製材します。


IMG_7245.jpg








そして、出来たのが

ハシビロコウのバッグチャーム。



















IMG_7189.jpg





IMG_7191.jpg





















お地蔵ちゃんとデビルくんとおかっぱチョビひげサンタ。


IMG_7202.jpg

サンタは僕の家用です。

「クリスマスっけが無いからこしらえろや」と言われたので急いで作りました。


IMG_7247.jpg





















新しい千代鶴是秀ちゃん(鑿の作品)も作りました。


IMG_7249.jpg






















玄翁と彫刻鑿のイヤリングも作りました。


IMG_7145.jpg


白檀という超高級木材を使用しています。

IMG_7144.jpg


IMG_7142.jpg

























後ろは、砥石ちゃんと初代千代鶴是秀ちゃん。

新しい千代鶴是秀ちゃんは、刃が減ってません。

IMG_7207.jpg



IMG_7250.jpg



IMG_7146.jpg



IMG_7147.jpg



IMG_7246.jpg


































それから、ちょっくら息抜きにマリオネットを作りました。






















IMG_7179.jpg


構造などを実験したくて試作しました。

だから名前は、試作ちゃん。



良く動きます。↓


























































このように毎日楽しく仕事しておりますと、凄い幸せなのですが、

自宅で万引きしているようなもので、スリルがありません。





なぜだか、変なモノをコソコソ作りたくってたまらなくなるのです。

以前は年がら年中コソコソしていて、スリルがありすぎてたまらなくなっちゃってましたが…。






しかし、

僕は冷静に自己分析をします。

こういうところが僕の恐ろしいところです。学校でてます。自動車学校もでてます。
















妻に脅かされながら作るのが長くて、そういう性質になってしまったのではないかという結論を二分で出し、

さっそく僕の渾身のデッサンを、妻の目につく所に置いておきました。







今、作ろうと思っている彫刻のデッサンです↓








































IMG_7012.jpg










































罵倒されました。

やっぱり褒められて暮らしたいと思いました。


みみずちゃんが売れたのは「たまたま」です。



酔狂者のお客様がご祝儀がわりに買ってくれたんやで!と、言われました。















目が覚めました。


完全に天狗になっていました。




































エビフライのデッサンと

もう一枚、置いておいたデッサンがあります。

これは、ふざけるんじゃないと言いながらクシャクシャにされたのを

丁寧に伸ばしたので、ちょっと見にくいです↓



















































IMG_7265.jpg















































落書きのように見えるかもしれないけど深いんだよ深いんだよ。

と、

いくら説明しても可哀想な子を見るような眼で僕を見ます。













調子に乗って、デッサンを目のつく所に置いてしまって凄く後悔しました。

馬鹿にされるのはスリルがありすぎます。

































僕は、馬鹿にされて悔しいので

後日、妻をアトリエに呼んでデッサンについての講義をしました。
































「作例として、金属のポットをモチーフにしますから、よく見てなさい」


と、言いました。





















「おい先生早くすませや」と言われましたが無視しました。





まず、大まかな形を単純化してざっくりアタリをつけます。


妻は二分で立ち去りましたが無視しました。

IMG_7075.jpg

この大まかさが重要です。








そしてキチンと描き込みます。




















IMG_7074.jpg











きっちりポットを勉強しました。


しかし、これでは面白くありません。



これを踏まえて、

紙を新しいのに変えてもう一度ポットを描きました。



















IMG_7075.jpg




ぜんぜん良くなっています。










このように、造形的真の世界に突入すると、そこに描き出された描線は

一見、視覚的現実世界とは何の関係もないように見えてきます。


しかし、それは、三次元的視覚の世界からの脱却して、より高次元な真実を追求する必然的結果なのです。




























































これは、僕の最近もっとも怒られた高次元な真実を追求したデッサンです。↓






































































IMG_7263.jpg















たいしたことない駄作ですが、

「機関車 6両」の、

「6両」の部分になんだか腹が立ったみたいです。

















































































4両編成にすればよかった。







































































今日も来てくれてありがとうございました。

















































最後に、

今年一年、シド工日記を読んで頂いてありがとうございました。

来年もまた、よろしくお願いいたします。
スポンサーサイト
  1. 2012/12/28(金) 20:39:10|
  2. 彫刻作品
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<新作木彫マリオネットと新作彫刻の乱れ打ち | ホーム | 個展のお知らせです>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://shidokou.blog20.fc2.com/tb.php/90-5f92f301
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)