シド工日記 (しどこうにっき)

仏師の流れをくむ彫刻一家にたまたま生まれ、私自身は5代目の彫刻家です。田島享央己(たじま たかおき)と申します。美術界の「フチ」にかろうじて手をかけている者ですので、どうかご存知のない方はこれを機会に覚えていただけると嬉しいです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

毎年、

年の瀬になると



僕は、干支の彫刻を作って、写真を撮って

年賀状を作ります。




今年はウサギでしたので、夏頃から考え込んでしまいました。









ウサギは可愛すぎるからです。








普通に作っただけで、甘ったるいホカホカホカホカした物になってしまいます。








やっぱり、作るからには、ホカホカホカホカした物ではなくて



深くて、厳格な物が作りたいのです。







僕は、まず、ウサギのデッサンを何枚も何枚も描きました。


近くの幼稚園にウサギ小屋があるので、見せてもらったのです。




ここで、骨格や、全体のバランスや、自然のカラクリ、印象などをガッチリ掴むわけです。







亡くなった柳家小さん師匠は、「たぬき」を演じるときは、「たぬき」の了見になれと言っていたそうです。




だから僕は、「ウサギの了見」にならなくてはいけません。








「ウサギの了見」ったってまったく分かりません。







しかし、ボンヤリしててもしょうがないので、まずウサギの動きを真似してみました。





四つん這いになって、ウサギの動きを真似してみると、

「ウサギの了見」は分かりませんでしたが、

骨格の動きと構成が、理解出来たような気がしました。










もちろん、晩御飯は、にんじんを使った料理です。







にんじんを使った料理つったって、まったく分かりません。







しかし、ボンヤリしていてはいけませんので、

肉じゃがを作ってもらい、にんじん多めによそってもらいました。




食べてみると、ほっこり炊けているし、お肉の旨みも染み込んでいます。

ウサギの了見は分かりませんが、とても美味しかったです。





















このあたりで、自分の行動が、かなり脱線し始めているのに気がつきました。




ここが、僕の偉いところです。












そして、また、ウサギのデッサンを何枚も何枚も描き始めることにしました。







「ウサギの了見」のことは、考えないようにします。




四つん這いになって、考え込んでいるところを奥さんに見られ、非常に心配をかけてしまったからです。





 「汚いバカ犬のような顔をしていたわよ。」




と、後日話してくれました。










デッサンを描いていて、一番難しかったのは、耳でした。



油断すると、すぐ漫画のようになってしまうのです。







長くて大きくて、ピンと立っていて、複雑な形をしている耳を表現するのは大変です。



なかなか上手くいきません。


自然は、けっして自分の都合の良いようには出来ていないのです。









どうしても、上手くいきませんが根気良く観察していきます。






やっぱり「ウサギの了見」にならないといけないのかしら


と、弱気になったりもしました。





四つん這いになって考え込んだり、ほっこり炊けたにんじんを食べたりするのは、

もう御免なので、執念深く頑張りました。
















作品というものは

このように、大変な努力と、

苦悩があって出来上がっていくものなのです。











裏の苦労を表沙汰にするのは、野暮です。

完全に野暮ですが、今回は、あえての野暮なのです。









そして、いよいよ、




完成した作品です。↓


























魚乗り童子1








すみません。



制作途中に、

「ウサギを普通に作ったら負けだ。」

との思いがふつふつと湧いて来てしまいました。







魚乗り童子2

しかし、








何枚ものデッサンが、耳の表現にいきています。







魚乗り童子3


すみません。





まったくの無駄でした。







魚乗り童子4





しまいには、無意味な魚まで登場して、収拾がつかなくなってしまいました。





魚乗り童子5





こうして、

僕は、また、悔しい思いで彫刻刀を置いたのです。





魚乗り童子6




心配してくれた奥さんに、これを見せたら





「気持ち悪い。」




と、おっしゃっておりました。









つづけて、






「モデルの幼稚園のウサギさんに侘びを入れてこい。」




と、しごくもっともな、お言葉。




















来週、あやまりに行ってきます。

























今日も来てくれてありがとうございます。



















いつも見ていただいてる皆様。




あけましておめでとうございます。


今年も宜しくお願い致します。
スポンサーサイト
  1. 2011/01/01(土) 00:00:00|
  2. よもやま噺
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<僕の、幼馴染の | ホーム | Unnatural girl 2>>

コメント

了見

誰もいない林に行き
両手を頭の上にかざして
膝を折り曲げ
ジャンプと同時に 『 ピョン 』 と声を出して
 『 ピョン 』 と声を出して
 『 ピョン 』 と声を出して
 プッ! 
となったから速攻家に帰りました。

明けまして、おめでとうございます。かくた
  1. 2011/01/01(土) 17:29:29 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

  1. 2011/01/02(日) 07:59:25 |
  2. URL |
  3. 銀 #Yx4q6d1M
  4. [ 編集 ]

Re: 了見

正月からそんな事をやってしまったのですか!
目撃者というのは必ず居るもんですよ。

くわばらくわばら。

あけましておめでとうございます。
  1. 2011/01/02(日) 08:09:01 |
  2. URL |
  3. シド工 #-
  4. [ 編集 ]

Re:銀様

今年は銀さんのおかげで、色々な知り合いが増えました!ありがとうございます。

そして、あけましておめでとうございます。

今年も宜しくお願い致します。
  1. 2011/01/02(日) 08:13:54 |
  2. URL |
  3. シド工 #-
  4. [ 編集 ]

おめでとうございます
ところで元旦の早朝から大笑いしました!
初笑いです

凛々しいうさちゃんですね
やっぱお耳が光ってます
妻がきゃわゆいーーーーーーって言ってました
どうもどうも
  1. 2011/01/02(日) 13:43:14 |
  2. URL |
  3. げんよう #SEFye3cg
  4. [ 編集 ]

Re: げんよう様

あけましておめでとうございます!

「受け」を頂いたようでホッといたしました。

ありがとうございます。

かわいいですか?
僕は酷評されるわ説教されるわで、
何がカワイイモノなのか、分からなくなってしまいました。


明日、初詣のついでに、ウサギに詫びを入れてきます。
  1. 2011/01/03(月) 00:32:47 |
  2. URL |
  3. シド工 #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://shidokou.blog20.fc2.com/tb.php/53-82ce335b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。