浪人時代。
アホみたいに、本を読み漁っていました。
その時に感銘を受けた本や、作家を、最近読み返してみたりします。
彫刻学生だった僕は
やっぱり『ロダンの言葉抄』が大好きで
何べんも何べんも読んでいました。
その翻訳が、彫刻家の高村光太郎です。
僕はもちろん、大ファンでした。

この本は、光太郎のベスト盤の様な内容で、彫刻作品、論評、詩、絵画、
などの、良いトコ取りで、とても面白かったです。
その中に、書の仕事がいくつか載っていたのですが、
あまりに良くって唸ってしまいました。

「正直親切」の写真は初めて見ました。
「正直親切」と言う文句も良いし、下のひらがなも、ユーモラスで可愛いです。
69歳の時の作品だそうです。
ウブな彫刻浪人生だった僕は、
光太郎に憧れ、有名な「手」の作品そっくりの「手」を作って、
講評で先生に酷評されては、落ち込んだり
この有名な袖なしの半纏を、着たくて、着たくて、たまりませんでした。
当時、血眼になって捜し回ったのですが、なかなか見つからず、
いつしか光太郎ブームも過ぎ去り、半纏の事など、忘れていました。

…で、
買ってしまいました。

巣鴨駅を出て右に行って、横断歩道を渡り
地蔵通り商店街のアーケードを二つくぐった先の右側の「あずま屋」ってご存知だと思いますが、
そこの、おじいさんから買いました。
16年来の夢が叶ってしまいました。
あったかくて着心地も良くて、お気に入りです。
半纏を着ながら、16年ぶりに、
大好きな写真集、アラーキーの「センチメンタルな旅・冬の旅」を読みました。

アラーキーの奥さんが病気で亡くなっていくまでを、淡々と写真で綴る素晴らしい写真集です。
続けて、「センチメンタルな旅・春の旅」です。
最近出た作品です。

アラーキーの愛猫、チロが死んでいく姿を静かに見つめていく、べらぼうに美しい写真集です。

袖なし半纏を着ながら、この二冊の写真集を見て号泣する姿を、
奥さんに見られてしまいました。
「年貢に苦しむ農民か。」
と、お言葉頂戴いたしました。
最近のアトリエ。
少し進みました。

次はこのメガネ買わなきゃ。

今日も来てくれてありがとうございます。
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- 2010/12/22(水) 09:19:49|
- よもやま噺
-
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-
| コメント:7
メガネは、露天の骨董市にありそうです。大晦日から15日ま不忍池でやってるはずです。
半纏は、そのうち肩のとこにツギをあてると、そのものですね。
それにしても、シドエさんの奥さん素晴らしい!!
- 2010/12/24(金) 17:51:59 |
- URL |
- イワノビッチ #-
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コメントありがとうございます!
> メガネは、露天の骨董市にありそうです。大晦日から15日ま不忍池でやってるはずです。
> 半纏は、そのうち肩のとこにツギをあてると、そのものですね。
光太郎はツギハギしてますか!? そのツギの柄を調べなければ…。
骨董市行ったことないので、行って探してみます。メガネと布端切れ!
> それにしても、シドエさんの奥さん素晴らしい!!
めっそうもございませんが、ありがとうございます。でも、たまに頭にくることがあるのです…。
- 2010/12/24(金) 18:58:33 |
- URL |
- シド工 #-
- [ 編集 ]
チャンチャンコ。巣鴨で購入ね!
とげぬき地蔵尊の横にあるビルに会社があって、私、毎日出勤よ。
たかおきも出没しにきてるのね!
私は、おばあちゃん仕様のタイツがすごく気に入っていて(ぶかぶかだし楽だし300円だし)、そのほか巣鴨じゃないと買えないものもたくさんあるのよ。スウェード調の足袋とか、なかなか無いわよ。
時々自分の着ているものも、巣鴨のものを取り入れたりしてるんだけど全然OKなのが不思議よ。年かしら?
もうご存知だと思うけど、4のつく日は縁日の日でエキサイティングだから是非。
アキラに出てくるキヨコみたいに自在に電動車いすを走らすおばあちゃんもいるから衝突注意。
- 2010/12/28(火) 12:56:58 |
- URL |
- yg #xGcsP88I
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とげぬき地蔵尊のわきに「やっちゃ場」があるでしょ?
その先に、遠山の金さんのお墓がある本妙寺というお寺さんがあるんです。
僕の、おばあちゃんが眠っているところです。
ちょいちょい墓参りを口実に巣鴨で遊ぶんです。
古奈屋のカレーうどんと、ビール飲んで、とげぬき地蔵を磨きまくります。
巣鴨にいたんですねぇ…。縁ですねぇ。。。
いつかばったり会えるかもしれないですね!
- 2010/12/28(火) 19:28:32 |
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- シド工 #-
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