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シド工日記 (しどこうにっき)

仏師の流れをくむ彫刻一家にたまたま生まれ、私自身は5代目の彫刻家です。田島享央己(たじま たかおき)と申します。美術界の「フチ」にかろうじて手をかけている者ですので、どうかご存知のない方はこれを機会に覚えていただけると嬉しいです。

日本橋三越本店で個展を開催します

 
田島享央己彫刻展

━ スローなお彫刻にしてくれ ━


2022年1月26日(水曜)~1月31日(月曜)

10:00~19:00  最終日は 17:00 終了

会期中無休
入場無料

日本橋三越本店 本館6階 美術サロン


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新作木彫小品20点、平面19点を展示販売します。(予定)

↓↓↓
日本橋三越本店 美術





私も、パリコレや米騒動、パンケーキ食べ歩き、TikTokの撮影(南京玉すだれ)、

ツチノコの捜索、暴走族 等で忙しいので、少しだけ在廊する予定です。


『歌えない、踊れない、可愛くない、汚い、需要がない』の5拍子揃ったおじさんに会ってもしょうがないでしょうが、

よろしくお願いいたします。



ご来場の際は

会場の隅の方で、薄ボンヤリしている小汚い中年がチラチラとお客様の方を見るかと思いますが、

それが私ですので、どうか気にしないでください。

どうしても気にかかるようでしたら、朝と晩だけで良いので小さいお皿で良いので

残り飯に汁ぶっかけて、くれてやってください。

そうしたら会期中はもちます。

もし、それでもまだ気にかかるようでしたら煮干しの二、三匹投げてやってください。

それでけっこうです。

それでも、物欲しそうにお客様の方を見てきたら、どうぞ作品を買ってやってください。

そうしたら、尻尾を千切れんばかりに振って喜びますから。

喜んだからと言って、なついてしまいお客様の後をついて行ったりしませんのでご安心ください。

必要最低限の「しつけ」は済んでおります。


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目ヤニべったりで、トイレットペーパーブラウンのTシャツ、

ホワイトブリーフセンターイエローのズボンを履き、いいちこを小脇に抱え

会場の隅の方でメルちゃんを寝んねさせて遊びながら、

在廊しているのが私です。

時々、缶詰にヒモ付けたやつを履き、死んだフナの様な目で

「エシェー!エシェー!」と、奇声を発音しているので、今回はわかりやすいと思います。


これだけでは目印にならないかも知れないので、私の特徴をもう一つ。

電源が落ちて真っ暗になっているスマホをずっと凝視してニヤニヤしているおじさんが

私ですので、お気軽にお声がけください。




私も、買い食いはする、水は出しっぱなし、入っちゃいけない芝生に入る、上履きのカカトは踏む、知らない駅で降りる、

おかわりしたのに残すというような無軌道な生き方をしてきたゴリゴリの無頼派ですが、

お客様が少ないと流石に堪えます。

ご高覧くだされば幸いです。




全作品 撮影&SNSアップOK。

会場で係に止められたら「作者がいいって言ったもんっ‼」

と手足をバタバタさせながら叫んでください。

あぁ、この人はまだまだ感情と言動が一致しないのだな。わかってほしいと懸命にサインを送っているんだな。

と、思ってくれるはずですのでこれで大丈夫です。





White cat H165×W100×D95(mm)
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在野のインディペンデント在宅インディーズ作家チンピラモドキとして、美術界の徳俵で粘り続けて30年。

2回目の日本橋三越本店での個展です。

“松の木に梅の花が一輪咲いたような”

“焼芋に古伊万里の皿”というような、もの凄い場違い感です。


(日本橋三越本店美術フロアは、設立110周年。
横山大観、藤田嗣治、濱田庄司など日本の美術史を彩った数々の巨匠が、
生前展覧会を開催した歴史あるフロアです。)




Blue bear H155×W95×D95 (mm)
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会期前のご予約、価格等お問い合わせは、

受話器で後頭部2回、前頭葉2回の計4回、

強く殴り、ちょうど鼻の所で Y字 に血が分かれた所で

03-3241-3311(大代表)にかけ

「田島享央己の彫刻ください。」

で大丈夫です。

あとは紅茶でも淹れて、ゆっくり休んでください。





Little boy H145×W96×D95 (mm)
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私が貧乏なバチェラーの時、100時間かけた作品を千円で売った事があります。

そこから考えると価格はゆっくりと上昇しています。

今が最安値です。

たぶんチャンスだと思う…。チャンスなんじゃないかな…。

ま、ちょっと覚悟はしておけ。









Red nose boy H160×W85×D95(mm)
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本館から新館への連絡通路にはハイブランドがたち並び

店先で綺麗な売り子さんが丁寧にお辞儀をしてくれます。

私が以前、藁ムシロ雪駄ばき、だらしない長い袖、ワンカップ大関、シャレコウベの首飾り、長いちょんまげの先にリボンでここを通ってしまった時も

別け隔てなく挨拶してくれました。

日本橋三越本店は良いところです。









Atamayama boy H160×W75×D115 (mm)
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つい先日も、打ち合わせに

うっかり、ブルーシートを腰にさらっと羽織っただけの小粋な軽装で行ってしまったので

ラグジュアリー感溢れる日本橋三越ではちょっぴり浮いてしまいました。

東京ガールズコレクションのランウェイの、ど真ん中を歩いた時くらい恥ずかしかったです。

その時は裸でしたし。













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電話ではなく、実際に作品を見てから購入を考えたいお客様、

日本橋三越の入り口に何日も前からダンボールを小さく切ってガムテープで地べたに貼り

マッキーで名前をでかでかと書き、その上にどっかり座り、東スポを読みながら

吉野家の牛丼片手に待つのは止めてください。





Mongrel boy H165×W96×D90 (mm)
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会場に着き、購入の決断をしたら、その作品の前で手を上げてください。

そうしたら背後から三越スタッフがスリーパーホールドをかけますので反抗せず力を抜いてください。

頚動脈洞反射により失神するのであとの支払い手続き等々はお任せください。

目覚めたら家で作品を抱いています。

財布は空です。




Gold nose boy H145×W90×D110(mm)
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それから、

祝花について書こうと思うのですが、

展覧会が始まる前にもう頂けると思っている了見が浅ましい。お前のようなモノに祝花なんぞ贈られてくるわけがないわ!この三下奴が!

と思われたらどうしようと思ってしまいどう言って良いのか分からないのですが、

せっかく私のようなボンクラに花を贈って個展を祝ってあげようという

優しい心遣いを踏みにじる事はどうしてもしたくありません。

ギャラリー側からは"祝花お断り"とDMに明記せいと言われましたが、それはなんだか悪いし、

何を言いやがるお前のような三流河原乞食に花など来んわ。たわけ者!というお馴染みのセリフが頭をもたげてきます。

何かやんわりとお断り出来る言い方をしたいのですが思いつかず、

いっそストレートに言ってしまったら良いのかしらと思いますが、そんな事が出来るくらいならこんなに悩まないわけで、

元来、クドクドと回りくどい言い方は大嫌いな一本気な性格です。

うだうだ言っている奴を見るとイライラして横っ面を張り倒したくなります。

ですので非常に困っていますから祝花ご遠慮いたします。












Good friends (4体1組) ※1体の大きさはH170×W100×D90(mm)
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来場者には特製ポストカードを差し上げます。

このうちのどれか1枚

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※数に限りあり。プレゼントしたポストカードを転売しないでください。




欲しい方は合図として


紙袋とワンカップを持ち、足の甲にカメラが上向きになる様にスマホを固定し、

なるべく挙動不審を装って会場をしばらく徘徊していてください。

警備員に変装した私が「ちょっとこちらへ」と連行としますので、一旦、暴れてください。

押さえつけて事務所で一旦コッテリしぼるプレイをしますので

素直に謝り、一旦外に出ます。五分後ニヤニヤしながらまた現れ

私であろうおじさんに近づき、

「ヘチマに屁ェかけたような面してますねェ~。」と言ってください。

一旦、わざと怪訝な顔をしますので、

「梅雨時の犬みたいな臭いしてますねェ~。」と言ってください。

一旦、激昂したふりをしますので、

「あんたギャラリーで芸術を見る面じゃねェな。見世物小屋でろくろ首を見る面だよ!」と怒鳴ってください。

そうしたら逃げますので背後から「この人チカンです!」と叫んでください。






これが合図です。





ここまできて、初めて私は振り返り

ウインクをしながら、黙って親指を立てます。






※知らないおじさんだったら謝ってください。










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宝くじは1000万分の1の確率です。諦めて作品を買ってください。

“無駄遣い”などと家族に馬鹿にされ落込むのはせいぜい1週間。

購入時にパックリひらいた額の傷の治癒がせいぜい2週間。

これさえ乗り切れば作品は生涯貴方の側に居て心をホカホカにしてくれるのです。


















Blue horn boy    H150×W90×D120(mm)
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芸術作品は必要な物ではないかもしれない。

ただ、仕事から帰り、部屋の明かりをつけて、このトンマな作品が居たら、

あまりの馬鹿馬鹿しさに鞄を投げつけたくなる衝動に駆られるでしょう。

芸術とは生きる力を育みます。そういう意味で必需品なのです。





Crane boy    H150×W85×D110(mm)
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「一生言う事聞くから!一生言う事聞くから!な?な?な?」

と、家族に涙ながらにお願いして作品を購入後、

「そんな事言ってねぇし」とキレれば大丈夫です。














Justice boy    H155×W80×D95(mm)
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わたくしも、家に帰れば腹を空かした幼な子と

お腹いっぱいでソファーに寝たきりで私に対して警察犬訓練所の教官風口調の妻がおりますので

何卒宜しくお願い致します。








Green bear    H160×W100×D95(mm)
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彫刻家の眼というのは客観性の塊です。

もう1人の自分が月のような位置から地上の自分を眺める習性があるのですが、自分の子供が1番可愛いです。

そして、今回の出品作品群は最高です。

乾いた心が沁みるように温かく潤い感動にハンカチを濡らします。

胸が激しく波打ち膝が訳もなく震えますから三越まで来てください。


Good brothers (2体1組)
H148×W70×D85(mm)
H153×W75×D90(mm)
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「電車賃使ってまで来るんじゃなかった。」 

と、後悔はさせません。







たぶんしないと思う。






しないんじゃないかな。








ま、ちょと覚悟はしておけ。


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高価な芸術作品を買うのは、家族からしたら迷惑千万の愚行です。


しかし、

購入をあきらめて手元に残ったお金は、もう二度とあの作品には変わってくれないのです。


どうせ一度きりの人生です。


芸術作品に大金をつぎ込む蛮行をやってみてください。



その日から常に、あの作品は貴方のそばに居て、

貴方の心を一生ホカホカにしてくれるのです。






ちくわ H155×W35×D35(mm)
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『スローなお彫刻にしてくれ』のテーマソング

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  1. 2022/01/07(金) 14:00:00|
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