ベレー帽に丸眼鏡、髭にパイプにスモッグ姿で
真っ赤なスポーツカーを乗り回し、フワついたパンケーキを食べながら
「今度…。ニューヨークで個展があるんだ…。」
という詐欺師みたいなセリフを本当に言う事になりました。

正式な展覧会名は、
Wood Sculptures by Takaoki Tajima
- An amusing world of little wooden creatures - 

本当にニューヨークの57丁目、カーネギーホールの斜向いに貼り出されています。
はめ込みインチキ画像のようです。
↓

日本での展覧会名は映画の邦題みたいなものですから、やりたい放題です。
Takaoki Tajima Sculpture Exhibition
in New York
2020 1/23~2/5
Opening reception: Thursday, January 23 6:00 pm
(A lecture from 6:10pm to 7:00pm )
1:30 pm on January 25 (Saturday)
Wood carving workshop
The Nippon Club, Inc.
145 West 57th Street, New York, NY 10019



2020年1月23日(木)~2月5日(水)
場所は
The Nippon Club内のギャラリーです。
月~金:午前10時~午後6時、
土:午前10時~午後5時、
日:閉館
詳しくはコチラ→日本語 詳しくはコチラ→英語在野のインディペンデント在宅インディーズ作家チンピラモドキとして、美術界の徳俵で粘り続けて28年。
初の海外での個展です。

全作品 撮影&SNSアップOK。
会場で係に止められたら「作者がいいって言ったもんっ‼」
と手足をバタバタさせながら叫んでください。
あぁ、この人はまだまだ感情と言動が一致しないのだな。わかってほしいと懸命にサインを送っているんだな。
と、思ってくれるはずですのでこれで大丈夫です。

私も、パリコレや米騒動、パンケーキ食べ歩き、TikTokの撮影(南京玉すだれ)、
ツチノコの捜索、暴走族 等で忙しいので、会期前半少しだけ在廊します。
『歌えない、踊れない、可愛くない、汚い、需要がない』の5拍子揃ったおじさんに会ってもしょうがないでしょうが、
よろしくお願いいたします。

入場無料。
出品数は約40点を予定。木彫小品 鳥獣虫魚介蔬菜蓏果 を展示いたします。
目ヤニべったりで、トイレットペーパーブラウンのTシャツ、
ホワイトブリーフセンターイエローのズボンを履き、いいちこを小脇に抱え
会場の隅の方でメルちゃんを寝んねさせて遊びながら、
在廊しているのが私です。
時々、缶詰にヒモ付けたやつを履き、死んだフナの様な目で
「エシェー!エシェー!」と、奇声を発音しているので今回はわかりやすいと思います。
これだけでは目印にならないかも知れないので、私の特徴をもう一つ。
電源が落ちて真っ暗になっているスマホをずっと凝視してニヤニヤしているおじさんが
私ですので、お気軽にお声がけください。

飛行機も乗った事はありませんし
箱根より先は縄張りではないので不安ですが
アメリカ横断ウルトラクイズは好きでしたし、エディ・マーフィの 星の王子 ニューヨークへ行く は
何遍も繰り返し見ましたので全然大丈夫です。

先日、台風で巻き上がった大量のサメが飛行機にぶつかって墜落する映画を見ました。
元々飛行機は半ドアな気がして嫌いでしたが、
流石の私もサメが飛行機の中に入って来て乗客をかじるシーンを見てしまうと
「行きたくない」と口からウッカリ出てしまい、妻から「サメ飛ばない論」を拝聴するはめに。
個展会場は
『ニューヨークの57丁目、ミッドタウンウエスト』
などという、映画でしか聞いたことが無い冗談みたいな場所です。
ミッドタウンといったら六本木のミッドタウン位しか知らない方ばかりのはずです。
愚人系ウスノロチンピラ木彫りポンコツ在野インディーズおじさんこと、
田島享央己のブログなんぞを読む方は
ミッドタウンウエストなんて、うどんのウエスト ミッドタウン店の事だと思ってしまう方ばかりのはずです。
着古して湯葉みたいになっているTシャツを着て、開業当初の六本木のミッドタウンに行き
何も買えず、冷水器で水だけ飲んで腹いっぱいにして帰ってきた私が
『ニューヨークの57丁目、ミッドタウンウエスト』 で個展をするのです。
タイムマシーンがあれば
真夜中のうどんのウエストで、ぬるいビールを涙で割って飲んでいた若い頃の私に会って
言いたいです。
最初、ニューヨークで個展とお声をかけて頂いた時、
私の日常と、『ニューヨークの57丁目、ミッドタウンウエスト』というフレーズが
余りにかけ離れていてボンヤリしてしまいました。
ちょっと興奮気味に家に帰って、妻にこう言いました。
「ニューヨークで個展をやってくれと言われたぞ。
住所なんかニューヨークの57丁目、ミッドタウンウエストだぞ!
お前さんなんか、うどんのウエストくらいしか知らないだろ。
この田舎者め!わははは。」
「それは全部おどれの発想だろ。自分の人生だけでモノを言うな。」
と言われました。
よくよく考えると確かにそうです。取り乱してしまいました。
このブログを読んでくださっている方々にも、
「うどんのウエスト ミッドタウン店の事だと思ってしまう人」
というレッテル貼りを冒頭にしてしまいました。
申し訳ございませんでした。
先日、妻がホームセンターに行くと言うので綿棒を頼んだ。
麺棒を買ってきた。
誰が麺打ちすると言った?と嘲笑した。
妻は無言。私に背中を向け片手で麺棒を持ち空いた手にペチペチし始めた。
そういえば蕎麦打ちを趣味にしたいと思っていた。
NYでも柔道着と鉄下駄を履いて実演します。刀削麺もやります。
※Invitation Only↓1/23 午後6時~オープニングレセプションと講演会 。
(午後6時10分~50分まで講演)
講演会やらレセプションやら偉そうですが、要は振る舞い全裸刀削麺をやるという事です。
↑
※レセプションパーティー&講演会の入場は招待客に限るという事でした。
調子に乗ってキテキテ!と言ってしまいました。
だんじりの上にのっているが如く
スイング&スパークしてしまい申し訳ございませんでした。(10/9追記)
展覧会自体は、入場無料でどなたでもご覧いただけます。1/25 午後1時半~
木彫ワークショップも開催します。
ちくわを彫ります。20人限定。
ちくわの歴史は古く、
源流は古代バビロニアにあり、現在でもミュンヘン郊外の僧院では、
ドイツ風ちくわ、カイザーウィルヘルムゲゼルシャフトミットクラウトがあり、
また、スイスの山岳民族には
氷河の上に魚肉をぶちまけて塩、砂糖、デンプン、卵白などを加えて踏みつけ火を放ち
その周りで一晩中踊り狂う、エーデルワイスポロントロケという文化があると言います。
このように高尚なモチーフであることをご理解の上ご参加ください。
↓
ちくわの美と造型彫刻家の眼というのは客観性の塊です。
もう1人の自分が月のような位置から地上の自分を眺める習性があるのですが、自分の子供が1番可愛いです。
そして、ニューヨーク出品作品群は最高です。
乾いた心が沁みるように温かく潤い感動にハンカチを濡らします。
胸が激しく波打ち膝が訳もなく震えますからニューヨークまで来てください。
ニューヨーカーはうどんのウエスト愛好家の私のことなんぞ知りませんから
時間も空気も凝結したかのように静かな個展会場になるはずです。
眠ったように人けが無い空間にポツリ、
ぶたれた犬のように怯えた顔をして
硫酸でもかけた様にボロボロに崩れそうなTシャツを着て、花瓶を割った子供みたいな情けない顔で立ちすくんでいる
おじさんが居たら、私ですのでその時はよろしくお願いします。
もし、誰も来ず
ニューヨークでの個展会場に閑古鳥が鳴いた場合
確実に私のせいになります。
私を推したギャラリー関係者の方の責任は
ただ、『御乱心』 ということで片づけられてしまうでしょう。
しかし、
『田島なにがしは駄目』 という回覧板がアート業界でまわります。
海外個展の依頼は金輪際こないでしょう。
皆さんが来なかったからです。
ミッドタウンウエストと言ったら、うどんのウエスト ミッドタウン店の事だと思ってしまう皆さんのせいです。
別に責めはしませんが、この事だけは深く深く胸に刻みこんでください。
そして、真冬のハドソン川で顔を上げず、スーっと海の方へ流れていく水練の達人を見たら、
それは私ですので
その時はよろしくお願いいたします。
『カラッと乾いてアップテンポのもの。
つまり、ロックンロールを作るのは非常に難しい。
それに対して、ジメジメと哀愁を帯びたバラードを作るのは、けっこう簡単だ。
ある種の『意地』が無いと、ロックンロールを貫くのは難しい。』
と、中島らも先生も仰っております。
高い、役に立たない、下らない、今時流行らない、作者が薄汚い、の五拍子揃っている
お彫刻ロックンローラーおじさんの出品作品は、以下の通りです。
(一部を除いて全て樟です)
↓
№1 マレーグマピエタ H225×W155×D175 mm




№2 酒呑童子 H205×W95×D75 mm


№3 むくれる娘 H165×W95×D95 mm
№4 漫画肉 H65×W135×D65 mm
※セットではなく別々です。



朝香式著 【ミーツ・ガール】の表紙の彫刻用に拵えました。
第12回R-18文学賞大賞受賞作です。映画化もされています。
№5 ちくわ (ペンギン ニワトリは別) H160×W40×D40 mm

№6 饅頭を二つに割る鼠 H195×W120×D120 mm





№7 豚に真珠をやろうとして蜜柑しかなかった豚 H165×W105×D105 mm




№8 もぐら H175×W115×D95 mm
※コチラのもぐらが、私の頭皮のコンディションのせいで不出品となりました。
かわりに新しい作品を制作して持って行きます。
この作品についてのお問い合わせはgallery UGまで。




№9 饅頭を二つに割る栗鼠 H170×W95×D95 mm




№10 猫に小判をやりたかったけど小判が無くて、小判型コロッケをまたぐ猫 (米ヒバ)
H195×W95×D100 mm





№11 ウサギ (米ヒバ) H205×W95×D95 mm




№12 猫に蛸 H265×W120×D120 mm
※コチラの猫に蛸が、私の頭皮のコンディションのせいで不出品となりました。
かわりに新しい作品を制作して持って行きます。
この作品についてのお問い合わせはgallery UGまで。




№13 カッパピエタ H 215×W120×D120 mm




№14 パンダサロメ H200×W115×D115 mm




№15 サロメの真似をするイカ H 200×W 115×D115 mm


№16 神様 H260×W170×D95 mm




№17 遠くを見る神様 H265×W195×D220 mm




№18 孫悟空 H 200×W120×D120 mm



こうすると西遊記です。


№19 ユニコーン H 200×W120×D120 mm




№20 脱皮ちゃん H90×W75×D120 mm




№21 ニワトリサロメ H200×W110×D115 mm





№22 チベットスナギツネ(米ヒバ) H145×W95×D90 mm




№23 ペンギン H 140×W95×D100 mm




№24 正座する神様 H305×W210×D130mm




№25 美術評論家小難香椎之助の肖像 御蔵島黄楊(ツゲ) H115×W65×D40mm




座右の銘である「反省」の色紙です。
↓
№26 ちくわ 反省色紙 (額付き) H 440×W 410 mm

№27 のり 反省色紙 (額付き) H 440×W 410 mm

№28 イカピエタ色紙 (額付き) H 440×W 410 mm

№29 スイカ色紙 (額付き) H 121×W 136 mm

№30 棒ナス色紙 (額付き) H 121×W 136 mm

№31 鶴のポーズをする猫色紙 (額付き) H 121×W 136 mm

№32 饅頭色紙 (額付き) H 121×W 136 mm

№33 神様正直親切色紙 (額付き) H 440×W 410 mm

№34 正直親切ヒヨコ色紙 (額付き) H 440×W 410 mm

№35 正直親切味噌汁色紙 (額付き) H 440×W 410mm

№36 今川焼色紙 (額付き) H 413×W 381 mm

№37 イカピエタデッサン (額付き) H 270 ×W 220 mm

№38 タコピエタデッサン (額付き) H 270×W 220 mm

№39 神様デッサン (額付き) H 270 ×W 220 mm

№40 神様 (輪付き) H 305×W170 ×D130 mm



天使とセットで買ってください。

↓
№41 天使 H230×W160×D90 mm




№42 ウインドミル奏法をする神様 H350 ×W 280×D110 mm




三体セットで買うと、
ピート・タウンゼントの真似を披露してスベっている神様 になります。

神様シリーズをセットで買うと、極楽浄土になるのでおススメです。
↓

高価な芸術作品を買うのは、家族からしたら迷惑千万の愚行です。
しかし、
購入をあきらめて手元に残ったお金は、もう二度とあの作品には変わってくれないのです。
どうせ一度きりの人生です。
芸術作品に大金をつぎ込む蛮行をやってみてください。
その日から常に、あの作品は貴方のそばに居て、
貴方の心を一生ホカホカにしてくれるのです。
出品作品はまだ増えるかもしれません。
↓
№43
H ×W ×D mm
№44
H ×W ×D mm
№45
H ×W ×D mm
№46
H ×W ×D mm
№47
H ×W ×D mm
そして、
結婚したての頃に描いた油絵7点も出品します。(非売品)
公園の水でお腹一杯にしていた若いインディーズの彫刻家が放つ、むき出しの熊谷守一感は清々しい位です。
「バカだなぁ。」
と、御笑覧くだされば幸いです。
玉置浩二の『メロディー』を聞きながらご覧ください。

■靴
結婚したての頃、大事にしていた15,000円の靴を洗ってボロアパートの玄関先に干していたら盗まれた。
悲しくて何日もかけて油絵にした。その時間働けと妻に言われた。

■ストーブ
結婚したてでボロアパートに住んでいた頃、
見かねて義母がルクルーゼという高級鍋を買ってくれた。
嬉しくてストーブの上で本格カレーを何時間もかけて作り、何時間もかけてこの油絵を描いた。
妻にその時間働けと言われた。

■犬
結婚したての頃、公園のベンチでボンヤリしていたら痩せた野良犬が近寄ってきた。
しばらく私と見つめあった後、ゆっくり去っていった。
数種類の絵具しかなかったけれど、何日もかけて油絵にした。
その時間働けと妻に言われた。

■茶碗
結婚したてのボロアパートに住んでいた頃、妻が茶碗を卓の端に置く癖があるのをちょっと注意した。
そうしたら5倍くらい悪口を言われて悲しくなった。
お金さえあればなぁと思いながら何日もかけて油絵にした。
頼むからその時間働けと妻に言われた。

■皿
緑の皿。深いヒビが入っていてユラユラする。結婚したての頃、妻が買ってくれたものだからそれでも使った。
捨てる前、最後にのせた料理はオムライス。妻は昨日のカレー。
絶対憶えておこうと何日もかけて油絵にした。その時間働いて皿買えと言われた。

■猫
結婚したての頃よく一緒に散歩した。
通りがかった空き地の杭と杭の間を真っ直ぐ歩いて来る野良猫を見た。
行儀良く道交法を遵守しているみたいで2人で笑った。
ずっと覚えておこうと思い、帰って油絵にした。そんなことはいいから働けと言われた。

■冬の台所
結婚したての頃、お湯が出なかったので冬の洗い物は辛かった。
寒い台所の事は一生忘れない、いつかお湯が出る家に住みたいと何日もかけて描いた。
その時間働いて引っ越せと妻に言われた。
仕事もないし、カネもないし、ボンヤリするのも嫌だし、
本読んでドラクエやって油絵を描いていた、後ろめたい気持ちしかなかった時期の作品群。
妻が仕事から帰ってくると、急いでドラクエをやっていた痕跡を消した。
妻は、ジロリと私を睨みながら、熱を帯びたゲーム機をさわって
「やっていたな?」
「やってないよ。」
と、小学生のように言っていました。
もの凄い強心臓です。
※このNY個展で作品販売は大っぴらにはしません。(海外での作品販売はややこしい事になるので)
どうしても欲しいという方は、
まず、イモリがはらわたを出したような服を着て
どっさり現金を持って、NY個展会場まで来てくださいまし。
物怖じする小鹿のような表情で会場の隅に立っているのが私ですので、
お祭りにでも来たかのような賑やかな顔で
私の方に真っ直ぐ歩いて行き(坂田利夫歩きで)
札束で思いっきり私の両頬をぶっ叩いてください。(モンゴリアンチョップで)
衝撃でその場に倒れこみますので、すかさず馬乗りになり、
壊れたスピーカーの様に脈略の無い言葉を叫びながら、(透き通ったボーイソプラノで)
お札を紙吹雪の様に空高くばらまき続けててください。(夕立の後のような清々しい表情で)
流石の私も現金には目が眩みますので作品をお渡しします。
NY市警に連行されたら、その時は申し訳ございません。
あまった作品は
2020年 5月8日 から 5月16日(予定)
東京の
gallery UGにて展示販売いたしますので、宜しくお願いいたします。
田島享央己のページ↓↓↓

あとは、
2022年1月19日から24日まで日本橋三越での個展が決まっています。
※木彫作品全てにこの様な共箱が付きます
↓

そんなこんなで
初の海外個展ですが、
わたくしも、家に帰れば腹を空かした幼な子と
お腹いっぱいでソファーに寝たきりで私に対して警察犬訓練所の教官風口調の妻がおりますので
何卒宜しくお願い致します。
「飛行機使ってまで来るんじゃなかった。」
と、後悔はさせません。
たぶんしないと思う。
しないんじゃないかな。
ま、ちょと覚悟はしておけ。

それから、つい最近
二人目の赤ちゃんが生まれました。
(生まれてすぐアトリエに駆け出して彫りました↓)

私も分娩室に入り、出産に立ち会えました。
髪の毛が多い元気な女の子です。
出産後の色々な処置を医師から受けていた妻は
赤ちゃんが見れませんから
どんな様子か実況しました。
「フッサフサで五劫思惟阿弥陀仏みたいだよ」
と言いました。
二人で笑い、泣きました。
長女出産の時は、
分娩室内でこう思いました。
「なぜ、このお医者さんは、この何とも美しい我が子をもっと見ないのだろうか。
なぜ、この助産師さんは、この何ともまぁ可愛らしい我が子の写真をとらないんだろうか。
完全に頭がおかしいよ!」
と、こんな完全に頭がおかしい事を今回は思わないと思っていましたが
まったく同じテンションでしっかり思いました。
毎日、
西松屋(ベビー用品) に行きます。
湯葉みたいになったTシャツを着て、真っ昼間から涙ぐみながら買い物をしています。
西松屋 泣きながら買い物 湯葉 おじさん
で、検索して見てください。
トップに私が出てくるはずです。

裏には、この子の名前と生年月日。
今は、家のリビングの壁に掛けてありますが、
この子が結婚したら、プレゼントしようと思います。

長女が生まれた時に彫ったものと。
(この二点もNYに持って行って展示します)
「5年近く経ってるのに、芸風がまったく成長していない。」
と、
今、うっすら私の頭の中に聞こえました。
私は念力が使えるので皆様方は注意してください。

神様は、赤ちゃんが無事生まれてくるようにと思って彫っていました。
雲の上に乗せられて本当に良かったです。



長女が赤ちゃんの時に作った玩具も持っていきます。(非売品)
「あんた。コレに費やした時間、ちゃんと働けば
どれだけの事が出来たかよく考えなさいよ。」
と、妻に言われた。
アイス

こんなクダラナイ物を 「一木だぜ。」 と自慢げに見せられても
何とも言いようの無い情けない気持ちになったと妻に言われる。
娘は一瞥くれて私の顔めがけてぶん投げた。
『マンボ No.5』のリズムに乗せて何回も繰り返し再生されるやつみたいだった。
おでん

一木で作ってあげた。娘は遊ばない。
妻はゲイラカイトのような目で見てくる。
くわい

くわいだったら絶対に遊ぶはずだと思った。
と、妻に言ったら口を聞いてくれなくなり、娘はブロックで遊んでいる。
イカ焼き

イカ焼きの玩具を彫ってあげました。
娘はだいぶ遠くまでぶん投げられるようになりました。
棒ナス

玩具を彫った。「はい、ボーナス。」と妻に見せたら怒られた。娘は遊ばない。
後日談

「はい、ボーナスあげた。ボーナスあげた。」
と、娘に 『ボーナスあげた』 を忙しいのに教えてあげていた。
「本当に悲しい気持ちになるし妙な調教は止めて。」と、真面目なトーンで妻に言われ
家の中が朝7時の富士そばのような雰囲気になった。
カニ串揚げ

一木で彫った。 妻はいいから働けと言う。
カニ好きだったじゃないかと抗議しようとしたが、稼いで本物のカニ食べさせてみろと言われると思ったので
台所に行って牛乳を飲んだ。
娘は遊ばない。
のり

のり好きの娘のために彫った。
「一刀彫だぜ。」と、妻に見せ 「のりだよ~。」 と、娘にも見せた。
そのまま箱にしまった。
マンガ肉

一木でお肉の玩具を彫ってあげた。
娘が床に叩きつけるスピードはだいぶ速くなったようです。
ロボット

娘はスターウォーズに出て来る
金ぴかのロボットに興味があるみたいよと妻が教えてくれた。
うろ覚えだが作ってあげた。
興味はないみたいだ。
お稲荷さん

娘の大好物、お稲荷さんを彫ってプレゼントした。
娘はイラナイと投げた。妻が投げちゃダメと諭した。
娘はお稲荷さんを拾ってアリガトと言った。
発言に全く体重が乗っていないのがわかった。
ガムテープ

ガムテープの玩具を彫った。
娘に手渡した。
すぐ投げた。
箱にしまった。
鑿と玄能

鑿と玄能の玩具を彫りました。
早速、娘の手に持たせ、お膳の豆腐を指さし
「これより美しく強いフォルムに成るなら彫りなさい。成らなければ彫らないように。」
と言ったら、よだれを垂らしながら熟考し鑿と玄能をぶん投げ号泣。
妻は私に謝罪を要求。
玄能の頭

名工相田浩樹作の玄能を娘が持ちたがる。
↓

鉄の塊を持たせるのは危ないので木で彫った。
名前を「相田浩樹ちゃん」とつけた。
ただただ相田浩樹さんという人物を、ちゃん付けで呼ぶ感じになってしまった。
娘は遊ばない。
妻はカウンセラーのような目で私を見てくる。
マンボウ

赤ん坊のため繁忙極める中作るマンボウ。
どうか気に入れと抱く願望。
妻に見せたら鬼に変貌。
だからうちは貧乏なんだと言葉で乱暴。
男は黙って厨房で辛抱。
コウモリ

「じゃ、一体どんな玩具を作って欲しいのよ!」
と、妻に訊いたら
そのままそおっと生きてて欲しいと言われました。
笛

「またオモチャ作って遊んでたのかい」
と、妻が怒鳴っているので、いったい誰の事を怒鳴っているのかなぁって、
そっと後ろを見たら壁だったので一応あやまっておきました。
人形

"チョコレート頬張るくん"を作る。
これは遊んでくれた。
目の中に入れても痛く無い。
三針縫いました。
獅子舞

「シシマイスキ。」と、娘が言ったので彫った。
手渡すと「シシマイキライ。」と、言った。
わけがわからない。
食べかけバナナ

そこに残る娘の歯形を眺めるだけで心が温まる。
ずっと覚えておこうと木で彫って妻に見せた。
センチメンタルになってウットリしている暇があったら働けと言われる。
娘は遊ばない。
アメリカンドッグ

最近、若者が自分の踊りや歌の動画、迂闊な言動などをSNSにアップしているというニュースを見た。
私は思わず 「娘にはこんなこと絶対にさせない!」 と、叫んでしまった。
妻は木彫りのアメリカンドッグで私をさしながら
「私がアンタに思っている事そのまま。」 と、言われた。
娘は満面の笑顔を湛えながら木彫りのアメリカンドッグを私のオデコめがけて振り抜いてくる。
稲妻が走ったような痛みが全身を走り抜けた。
素麺も持っていきます。(非売品)

素麺って、よくよく見るとめちゃくちゃ美しい立体物です。
この帯をよくぞ赤にした!と褒めてやりたい衝動にかられます。
素麺だからって、細く線を彫ってしまったら負けです。
素麺の持つ、直線的な強さを出さなければ人様が汗水流しながら働いている時に
素麺の彫刻を彫っている意味は無いし、ましてや妻に申し訳が立ちません。
しかし、
『直線的な強さ』を出したところで、いっさい申し訳が立つ訳がないので、
コソコソ隠れて彫ることになります。
ですが、作ったからには見せたいのが人情。
棒状のモノを持たせるのは非常に危険なのですが、
夕飯後、お腹いっぱいになったところを見計らって見せてみました。
妻は、驚きもせずにこう言いました。
「作ると思ってたで…。」
なんか、ちょっとカッコイイ感じになっちゃってるのが気になりますが
先日、そうめんを茹でようとしていた時の
私のそうめんを見る目が、ただ事ではなかったそうです。
そこで 「こいつやるな…。」 と、思ったそうです。
豆腐も持っていきます。(非売品)

私のような彫刻家が豆腐を見て、とりわけ感ずるのはその彫刻美です。
豆腐を拡大解釈すれば彫刻の延長そのものであるような気さえしてきます。
私はこの「豆腐の美」を木彫で表してみたくてたまらなくなり翌日から一心不乱に彫り始めます。
まず、ノコギリで大まかな木取りをします。
彫刻家のブランクーシが、
四角い石を指差しながら弟子に言ったそうです。
「この、四角い石の強さと美しさに勝てるなら彫れ。勝てないなら彫るな。」
私も、四角くした木を目の前に戦慄します。
「もう、出来てないか?」
…いや、「豆腐の美」にはまだまだ遠い。
余計な事は考えるのをよして、ガンガン彫っていき完成しました。
私は、豆腐の美しさに肉薄した喜びでいっぱいです。
早く妻に見て欲しくて自宅に駆け出しました。
手の平に豆腐を乗せて、おもいっきり駆け出しました。
たぶん、キャーキャー言って喜んでくれるに違いない。
豆腐を手のひらに乗せながら走る私は、きっとニヤニヤしていたに違いありません。
息を弾ませながら、豆腐を妻に見せました。
「ふーん。…で、湯豆腐なの?冷奴なの?」
頭を、金槌で殴られたような衝撃でした。
私は、豆腐の白さや、柔らかさや、形態にばかりとらわれ
肝心なことを表現し忘れていたのです。
彫刻家が「卵」を作るなら、それが「ゆで卵」なのか、「生卵」なのか
作り分けなければ一流とは言えません。
今度は、トボトボと
豆腐を手の平に乗せ、歩いてアトリエに戻りました。
「豆腐なんざぁ、すぐ作れるさ!」などと考えていた私が甘かった。
本物の豆腐がすでに彫刻である以上、それをさらに彫刻に刻む時、
制作の余地がなく、
その彫刻は食品サンプルの意味しか持たないようになる。
再芸術は低くしか成立しない事を立証する一例と見る外はないでしょう。
同じ理由で制作に苦労した砥石も持って行きます。(非売品)

宝くじは1000万分の1の確率です。もう諦めて作品を買ってください。
“無駄遣い”などと家族に馬鹿にされ落込むのはせいぜい1週間。
購入時にパックリひらいた額の傷の治癒がせいぜい2週間。
これさえ乗り切れば作品は生涯貴方の側に居て心をホカホカにしてくれるのです。
芸術作品は必要な物ではないかもしれない。
ただ、仕事から帰り、部屋の明かりをつけて、このトンマな作品が居たら、
あまりの馬鹿馬鹿しさに鞄を投げつけたくなる衝動に駆られるでしょう。
芸術とは生きる力を育みます。そういう意味で必需品なのです。
「一生言う事聞くから!一生言う事聞くから!な?な?な?」
と、家族に涙ながらにお願いして作品を購入後、
「そんな事言ってねぇし!」とキレれば大丈夫です。
旅行がてらにフラッと見に来てくださいまし。
宿泊先のお風呂につかりながら『ニューヨークで入浴!』という
インスタに上げると、【いいね】 が5つは必ず付く
もの凄い面白いヤツも出来ますので
それを目当てによろしくお願いいたします。
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- 2019/11/15(金) 19:18:13|
- 展覧会
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