※2015年、後の様々なピエタシリーズとなる元祖、
初代イカピエタ を制作し、下記の展示で販売しました。
この初代イカピエタは静岡のオオムラ自転車折戸店&アルモカフェというお店が所蔵し、お店に展示してあります。行けば見せてくれると思います。
YEAR END EXHIBITION OF MINI SCULPTURES2015年 12月7日(月)~22日(火) 11:00~18:30 日曜休廊 最終日17:00まで現代彫刻の直球ど真ん中を行く名門画廊でお馴染みの
ギャラリーせいほうにて開催される
年末の恒例行事にお呼ばれしたので出品します。

本格派の有名な先生方が大勢出品するでお馴染みの小品展ですので、
私のような在野でインディーズの在宅彫刻屋の小物芸人を招待して頂いちゃって誠に恐縮しております。


1人1点、20㎝くらいの大きさ が出品規定。
迂闊にアチャラカをやると、なんか怒られそうなので
今回は堅いモチーフで行かせてもらいます。
テッツィアーノ、ドラクロア、ミケランジェロ等々が、
モチーフに制作したでお馴染みのピエタです。
ピエタというのは、
イタリア語で哀れみ慈悲などの意味で、
古来から多くの芸術家が制作した画題の一つです。
キリストの遺体を膝に抱いて悲しむ聖母マリアの図像です。
有名なサンピエトロのピエタ。ミケランジェロ作 ↓




なぜこうなったのか、内面的経緯を説明します。
まず、
マリア様がどうにもこうにも悲しそうなので、イカとしました。
イカがキリストを抱いているなんて、凄く変ですのでパンダにしました。
イカピエタになりました。

以上、
このような 「作家の芸術的思索」 の推移があるので、
アチャラカではありません。


私は在廊しませんし、年末の貴重な時間と電車賃を使わせて
この小さな作品のみを見せられても、怨みしか生まないと思いますので
「ご高覧下されば幸いです」などと
すっとぼけた事なんか口が裂けても言えませんがご高覧下さい。
角は一流デパートで紅白粉つけたお姉さんにクダサイチョウダイ頂きますと
10万や20万はくだらない品物ですが、
今回は普段お世話になっております檀家の皆様への特別サービスとして破格なお値段でお願いしております。
本来なら無料で差し上げたいところですが、そりゃ私だって商売です。
家に帰れば女房子供がお腹を空かして待っています。
昔の仙人じゃあるまいし霞の中からスーッと出てきてこんなことをしているわけじゃありません。
本来ならこんなお安いお値段でお願いできるもんじゃないが、
こっちにも差し迫った事情 (頼むからカタギになっておくれ等々の圧力) があります。
浅野匠頭じゃないが腹切ったつもりでお出ししておりますので、銀座を散歩がてらにちょっくらのぞきに来てくださいまし。
「このクソ忙しい最中、電車賃使ってまで来るんじゃなかった」
などと、
嫌な心持ちになることは無いはずです…無いんじゃないかな…。ま、ちょっと覚悟はしておけ。
などと、
先日のグループ展でさだまさし風に言ったら、本当に僕のお客さんだけポッカリ誰も来なくて
「皆さん素直に言う事を聞き過ぎぃ!」
と、ジャーマンスープレックスホールドの様にのけ反ってしまいましたので、
素直に今から言いますので、皆様におかれましては、よく聞いてくだされば幸いです。
ご高覧下さい。
もしも、もしも、出来るコトでしたらば、イカピエタを購入してくださいませませ。
(深く深く頭を下げる。目に涙を浮かべながら。)
ここ数年、色々なグループ展にお呼ばれして出品していますが
会期中にほとんど売れたことがありません。
その度に「なんて人気がないんだ」と荒れ、浴びる様にオレンジジュースを飲んでいるのです。
会場に入り、他の先生の作品は軒並み赤丸(売約済み)が。
イカピエタだけ赤丸が付いてない状態を想像するだに、シャケの量が増えます。
わたくしも、学生時代、切手集めとホットヨガをやっていましたから
精神肉体共に強靭ですが、小鳥を追いかけて森で迷子になるくらいの繊細さも持ち合わせております。
そこのところをよくご理解の上、ご高覧くだされば幸いです。
来場してくださり、現物を見て購入を迷っている方は、
一旦外へ出て、頭を強く2回鈍器で殴ってから再入場してくだされば全然大丈夫です。
だいたい、わたくしの作品を購入する皆さんは、微笑みをたたえながら血だらけで「コレクダサイ」と言ってきます。
イカピエタが欲しいけれど、会場に行けない方は画廊に電話してください。
もちろん電話をかける前に、受話器で2回思い切り眉間を殴って判断力を鈍らせてからかけるのを忘れないでください。

裏にはしっかりサインも入っております。

「あら珍しい。名前と一緒に絵も描くようになったのかい。」
と、妻は言いますが

この絵は、わたくしが 「2015」 と書こうとして
うっかり 0 (ゼロ) を一個多く書いてしまったのです。
普段は、西暦なぞ入れませんが、つい格好つけたくなっちゃったのです。
200 と書いてしばし呆然となります。
どうごまかすか。
「200万円ください」 しか思いつかないので、どうしようもなくなってしまいました。
ですが、ここからがわたくしの偉い所です。
2 の所を腕に、0 0 の所を、目にして
いかにも昔からこのキャラクターがトレードマークですけど?なにか?
と、いうような感じを出すことで見事に解決しました。
線に逡巡があって、非常に味わい深いサインとなっております。
先日、タンスにこのような物がクシャクシャになって入っていました。
↓

「よだれかけのフリルが気に入らないから取った」
「白ブリーフが西友で安売りしていたので買った」
「フリルはもったいないから縫いつけた」
「マジックで名前書いといた」
「かわいい娘のよだれかけに付いていたフリルがそんなに嫌か」
妻にワケを聞くと、
このような事を言ってきます。
風の強い日に干すとも言ってきます。
逆らえば、首根っこ掴まれて重機で掘った墓穴に連れて行かれ
「入れ。履いたままな。(高笑い)」
と、言われるので黙って履きます。
イカピエタが売れたら、新しいパンツを買いたいです。
フリルの付いていない、白ブリーフではない、新しい普通のトランクスのパンツを買いたいん です。
どうかひとつ、気に入ったらで良いので、人助けと思ってイカピエタを買ってください。
彫刻作品は高いと思うかもしれませんが、1日コーヒー1杯飲むお金だと思えばとってもお得な買い物だと思います。
作る側から言うと
『刑務作業の時給並み』
のお値段でお出ししております。
「イカピエタなんていらないや。でも、見るだけ見とくか。」
と、最終日に行かれるお客様におかれましては
イカピエタが売れ残っているのを確認後、それを深く深く胸に刻み込み、帰路についてください。
フリル付きの白ブリーフを履いて、近くの川で息継ぎ無しで延々と海の方に流れていく水練の達人がいたら、
それは私ですので、その時はよろしくお願いいたします。

今日も来てくれてありがとうございました。
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- 2015/11/21(土) 09:25:00|
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