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シド工日記 (しどこうにっき)

仏師の流れをくむ彫刻一家にたまたま生まれ、私自身は5代目の彫刻家です。田島享央己(たじま たかおき)と申します。美術界の「フチ」にかろうじて手をかけている者ですので、どうかご存知のない方はこれを機会に覚えていただけると嬉しいです。

僕の絵本のこと

 

  そろそろ娘に絵本を読んであげたくて、

大きな本屋に行って物色しました。












どの本も美しく可愛く正しく上品で素晴らしすぎて、どうも買う気にはなれません。


特に乳幼児向けの本に何か "学術臭" と "ウットリ臭" があり、

長い間売れなかったせいで偏屈ひねくれ者になってしまった可愛げの無いおじさんでお馴染みの僕にとっては、

どうにも腑に落ちないのです。



「さいた さいた はな さいた きれい きれい おはなさん」



などとは、自意識が邪魔をして、感情を込めて読み聞かせられません。


幼児と言えども大人が使う言葉をキチンと使いたい。

意味が分からなくったって良いじゃない。


「はな」の話を無感動に喋るより、「ハナ肇」の事を熱量たっぷり聴かせてポカンとさせた方が良いのではないか。

「ハナ肇」が分からなかったら、早く大きくなって自分で調べれば良いのです。


僕が乳幼児の時、一番嫌だったのは赤ちゃんのクセに赤ちゃん扱いされる事でした。




僕が本当に 『絵本』 を気に入るためには、

僕が描いて僕が読み聞かせるしかありません。









「プロットに狂気が入っているものこそ、幼児教育には必要であるのだよ君。」

「僕ほど乳幼児を尊敬している奴は居ないのだよ君。」


と、隣で鬼平犯科帳を熱中して見ているので話しかけるなオーラ全開の妻と、

ボケてきた老猫に言いながら、


ストーリーもキャラクターも一切決めず、行き当たりバッタリの出たとこ勝負で

"白い絵本"に直接描き込んで仕上げました。








「業の肯定」 「狂気」 「ボケ」

などを、ふんだんに散りばめています。





それから、むせかえるほどたっぷりの愛情も。











































なかなかブッ飛んだ本になりました。






















ちょっと読んで見てくださいまし。




















表紙です↓

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扉絵↓

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裏表紙↓

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さっそく、

妻の膝上でちょこんと座っている娘に読み聞かせました。
























声色を使い、大熱演しました。





















読み終えた僕は、偉業を成し遂げた気分でウットリです。
















この自作自演に

妻はさぞ感動していることだろう。
























これから大変だぞ。毎晩のように 「ねこおじさん!ねこおじさん!」 と催促されちゃう。

困ったなこりゃ。









































と、



ヒョイと2人の顔を見ますと







妻は、死んだフナのような目で、

娘は、ダルマが歯痛を我慢しているような顔で、

僕を見ていました。

























































幼児教育業界並びに絵本業界に 『モノ申す』 のはもう止めます。

すみませんでした。












































そんなこんなで

次は展覧会のお知らせです。




7月4日(土)~7月11日(土)まで

東京の飯田橋にある 『パペットハウス』 で開催される

『 The Art of Puppets Final 』 に、新作の木彫マリオネットを出品します。




詳しくはコチラ↓
The Art of Puppets



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出品作は、このサル。






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口をパクパク出来るようになってます。


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サル主演のショートムービーをご覧ください↓















































どうか皆様、このサルを買ってください。














そのお金で、ちゃんとした絵本を買いますので、どうかこのサルを買ってください。





























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今日も来てくれてありがとうございます。

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  1. 2015/05/21(木) 22:07:00|
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