カエルをモチーフに木彫マリオネットをとのご依頼を頂きました。
完成までの制作工程をご覧ください。
クスノキを製材して、軽くデッサンします。

ノコギリでいらない部分を切り落とします。

ちょっと彫ってみます。右上はカエルを動かす為のコントローラーです。

さらに彫って形を出していきます。舌をちょっと出しました。

身体も丸くします。

手足を彫ります。

あとは、みっちり仕上げて彫りの終了です。

試しに組んでみます。

コントローラーと本体を糸で結び、動きをみます。
合格です。

次は着色です。
まず、全体に白を薄く塗ります。

赤と青をまだらに塗ります。
カエルは緑ですが、こういう関係ない色が、あとあと効いてくるのです。

その上から黄色を塗ります。

そしてやっと緑色を塗ります。

眼と模様を黒で塗ります。

眼は金色を重ねます。

ここからは色々な事をして、微妙な色彩になるように仕事をしていきます。

分かりにくいですが、だいぶ変わりました。小技を連発する工程です。

どこがどう違うのか分からないと思いますが、これで納得しました。
良い色に塗れたと思います。

サインはお尻に彫りました。

舌を赤くして、目玉をガラスコーティングで光らせます。

舌もテラテラさせたいので、ラッカーを塗ります。

蜜蝋でみがいて全体にツヤをあたえます。

手に皮紐をつけて、足は金具でつなぎます。

いよいよ、首をすげます。

出来ました。
まだ、伸びきってボンヤリしているみたいです。

糸を張って終わりです。

タイトルは、
『カエルちゃん』です。
「あんた六十、七十になっても『~ちゃん』やら『~くん』ってつけるのかや?」
と妻は心配してくれます。
大丈夫です。
六十、七十になったら『~さん』という手があります。
そう妻に言うと、
心なしかホッとした表情になった様にみえます。
そして夫婦茶碗を、いつもよりガチャガチャ音を立てながら洗っていました。
ホッとした表情とガッカリした表情は似ているという事を勉強した瞬間でした。
そんなこんなで、『カエルちゃん』の完成です。↓


カエルの黒目は、あえてハッキリさせませんでした。
大きくてハッキリした黒目は、全体の感じをダメにすると思ったからです。

漫画的表現だけでは無い、微妙なラインを狙いました。


ひょうきんで、トンマなカエルちゃんが出来たと思います。






カエルの肌の、金色だか白だかナンダカワカラナイ不思議な色に近づけたと思います。


カエルは普通に作っても可愛いです。
でも、僕は感情移入出来そうで出来ない可愛さにしたかったのです。

見る人から、微妙な距離をおいて逃げ続けるカエルだと見あきないかなぁと思いまして。








相変わらず『TAKAOKI』という小学生レベルのサインです。
カッコいいサインを色々考えていた時期もありますが、自分の中に無いモノはやっぱりダメです。



ここでちょっと休憩。
頭の中を、ふんわりさせたいので
いもむし君ストラップと、化粧の筆ちゃんを作りました。

ふんわりさせたところで、前回の続きです。
ここまでだった
この女の子も完成しました。
あとは、コントローラーを装着するだけです。

頭のてっぺんに穴をあけ、8ミリの鉄棒を差し込みます。

これがコントローラーの持ち手です。

こうなるわけです。

糸を張って、いよいよ完成です。

タイトルは『女の子』です。

愁いをおびた悲しげな瞳と表情に彫れたと思います。


それでいて、どこかユーモラスな雰囲気も残しています。




肌の色も上手く塗れました。キチンと血がかよっています。






















サインは右足の裏に彫りました。

今回も、どっしり魂がのっかった作品になったと少しだけ自惚れて、
すぐ忘れようと思います。


カエルちゃんと女の子で記念撮影です。





偶然仕事が重なったのですが、不思議な、いいコンビです。

個展が終わって、会場からコウモリちゃんが帰ってきました。

沢山の方に来て頂きました。
ありがとうございました!!!

ロボットちゃんも帰って来たので、みんなで記念撮影です。



アトリエに、これだけ木彫マリオネットがそろったのは初めてです。
奇妙な集団で可笑しくなりました。






まったく意識していなかったのですが、この二人お似合いです。


二人は恋人どうし。
そう考えると、とても良いポートレートです。

女の子の口元がほころんでいるようです。


カエルちゃんとロボットちゃん。この二人はどうでしょう。

ロボットちゃんもカエルちゃんも性別は意識して作らなかったので、
恋人には見えません。
僕には、仲良しの酔っぱらいに見えます。

「おう、ガマの店にいこうじゃねぇか。」
「じゃ、イボも誘おうか。」
「嫌だよあいつは。トノサマならいいよぉ。」




ちくわ一門と記念撮影です。


一門のオタマジャクシちゃんも嬉しそうです。

てんとう虫ちゃんに乗られて、ちょっと嫌そうです。

ホント、訳のわからない集まりです。

この、木彫マリオネットの新作、女の子とコウモリちゃんが
東京の飯田橋にある『パペットハウスギャラリー』で展示販売されます。
7月14日(土)から7月21(土)まで。
さまざまなジャンルの作家によるアートなパペットの展覧会です。

会期中は無休です。

11時から19時まで開いております。

飯田橋駅東口より徒歩2分です。

B1出口からだと、徒歩1分です。

是非、来てください。

そして、私達を買ってください。

よろしくお願いしますよ!

最後に動画のご紹介。
まず、
女の子とカエルちゃんが踊り狂っているところをご覧ください。
そして、
僕は、カエルちゃんとロボットちゃんで映画を三本撮ってしまいました。
まずは、カエル刑事(←デカと読みます。)が大活躍するアクション映画です。
次は、『ロボットちゃん死す』というシリアスなメロドラマです。↓
前作の『ロボットちゃん死す』がバットエンドだったので、
こんどはハッピーエンドにして全編撮り直ししました。↓
『ロボットちゃん死ス』で泣いてしまった方も居ると思います。
笑わせるのを信条にしている『シド工日記』なのに
泣かしてしまい、すみませんでした。
映画を撮り終え、
助監督の妻に僕はこう言いました。
「まったく、怖いよねェ…。己の才能が。」
妻は、心なしかホッとした表情をしている様に見えました。
今日も来てくれてありがとうございました。
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- 2012/06/19(火) 13:00:00|
- マリオネット
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