先日、こしらえた
木彫りのマリオネットの『ハシビロコウくん』が、

東京の飯田橋にある
パペットハウスというお店で展示販売されることになりました。
Puppet House / パペットハウス
Tel 03-5229-6477 Fax 03-5229-6478
〒162-0822
東京都新宿区下宮比町 1-8
通りを歩くと、この看板があります。

これを曲がると、すぐ『パペットハウス』さんがあります。2階です。

このお店は、日本ではじめてのパペット専門店です。
ヨーロッパや日本の作家ものマリオネットを中心に
大人の想像力を刺激するような
アーティスティックなパペットを展示販売している、めちゃくちゃ素敵なお店です。
僕は、この『ハシビロコウくん』を作ろうと思った時、
どうせなら本場のマリオネットに負けないモノを作ろうと思いまして
『パペットハウス』さんに、『芸』を盗みに行きました。
マリオネットの詳しいメカニズムをどうしても知りたかったので、
僕は、妻を御供に出かけました。
平日の真っ昼間に、ボサボサ頭の小汚い男が血走った眼でマリオネットを凝視している光景を見て、
さぞ、御主人は気味が悪かったろうと思います。
一通り、マリオネットを痴漢の様な眼で舐めまわした後、
御主人に、分からないことを色々質問しました。
後で、妻に聞いたのですが、
「あんたは遠慮ってェものをしらねェのかい。」と、後ろ頭を張り倒したくなるほどの
質問攻めだったそうです。
もう、僕は夢中でしたので気が付きませんでしたが、
「そうとう気持ち悪かったから気をつけなさい。」と叱られました。
しかし、
パペットハウスの御主人は、とても温和な優しい方で、
気持ち悪い僕の、全ての質問に丁寧に答えてくれました。
そんな御主人の厚意に報いるためにも、良いモノにしなければ行けませんから
随分気合いが入った作品になりました。
なんだか僕のまわりの評判も上々でしたので、一安心です。
(色塗り前のハシビロコウくん。あごで引っかかってます。↓)

お店の中の様子です。↓『ハシビロコウくん』が東京に参上です。

画面後列、右端のマリオネットは、イジー・バレシュ さん(チェコ共和国) の素晴らしい作品です。
『ハシビロコウくん』は、バレシュさんの作品を見て刺激を受けて作った作品です。
一緒に写れて光栄です。
お店の様子、もう一コマ。

左後方の、般若のマリオネットはヤン・ククラさん (チェコ共和国) の作品です。
これまた素晴らしい作品で驚いてしまいます。
御主人に、
「ククラさんはおいくつですか?」
と、聞いたところ
なんと、僕と同い年。
一瞬でムラムラと焼き餅をやいてしまいました。
と、いうことで
ハシビロコウくんが、般若さんに仁義をきっているところです。

「遅ればせの仁義、失礼さんでござんす。わたくし、生まれも育ちも関東千葉です。
渡世上、故あって、親、一家、持ちません。駆け出しの身持ちまして生命の議、いちいち後世に発します、
仁義失礼さんです。姓はハシビロ、名はコウ。人呼んでハシビロコウくんと発します。
西に行きましても東に行きましても、とかく土地土地のお兄ぃさん、お姐ぇさんにご厄介かけがちなる若造です。
向後(きょうこう)万端ひきたって、宜しくお頼み申します!」

「あ…あぁ。そうなの。」と、いったところでしょうか。般若さん。
僕の、不躾な怒涛の質問攻撃にキチンと受け止めてくれた『パペットハウス』の御主人と奥様です。
御主人は、穏やかなお人柄でしかも美声のダンディー。奥様は品があってとても聡明な方です。
『ハシビロコウくん』を見がてら、ぜひお店にいらしてください。

写真がブレているのは、後ろで妻が笑わせているからです。
僕もつられて笑ってしまいグラグラしちゃいました。
でも、おかげで素晴らしい笑顔に撮れました。
ちなみに『ハシビロコウくん』のお値段は15万円です。
作っている最中、「動かしてどうするの?」というマリオネッターの根幹を揺さぶる様な発言をチョイチョイし、
僕を動揺させて口をパクパクするのを見て高笑いをするという暴挙に出た妻を、
お腹いっぱい食べさせて動けなくしてやりたいので、どなたか買ってください。
どうか、よろしくお願いいたします。
そんこんなで、僕は『動く彫刻』の制作にハマってしまいまして
こそこそと、またこしらえ始めました。
何をつくるか決めないで、とりあえず、木取りだけしていきます。

足の部分の木を寄せているところです。

そして、
関節の部分を作ったところです。

なんだか、もう表情が出てきた感じでワクワクします。
製材して余った同じ木を使って、
『さやいもむし君』も同時に作ります。

僕のお友達が、さやにおさまった豆の写真を見せてくれまして、
それがあまりに美しかったので、やってみます。
同じ木ですから、このマリオネットの身内です。
『ハシビロコウくん』が男の子だったので、
今度は女の子を作ってみようということで、
木にデッサンしてみました。

薄気味悪くて、自分でも笑ってしまいましたが
こんな感じで行ってみようかなと思います。
彫っていくうちに変わると思いますので、お楽しみに。
で、なんだか物足りないので
もう一つ、デカいものを木取りしました。

二体同時に、(プラス、さやいもむし君)こしらえて行こうと思います。
このデカいのも、何になるか自分でも分かりません。楽しみです。
この時ちょうど、
アトリエに妻が来たので、
僕は、こう言いました。
「どうだ!こんなの二つもやるんだよ。パワーを感じるだろ!」
「プワーを感じるわ。」
どうか、『ハシビロコウくん』を買ってください。
今日も来てくれてありがとうございます。
- 2011/06/13(月) 06:40:22|
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