先日、
電車に乗っていた時のことです。
僕は座席にすわって、本を読んでいました。
読んでいた本はこれです。↓

この間、
うちにあるノミが、伝説の名工『千代鶴是秀』作ということが発覚しまして
あわてて勉強しだしたわけです。

祖父が千代鶴是秀に注文してあつらえたものです。↓

こんな本を、真剣に電車の中で読んでおりました。
すると、女学生二人が僕の正面に座り、ペチャクチャお喋りをはじめました。
僕は、「刃物の写真集」という興味の無い人には、変態にしかみえない書物を
血眼で熟読しておりますので、気になってしょうがありません。
「誠にどうも怪しからん…。」
と、ヒョイッと女学生の方を見ると
二人ともそっくりな顔をしていて、姉妹のようです。双子かも知れません。
しかも、どっかで見た顔でした。
僕は、こんな若い女学生に知り合いも居ませんし、親戚にも居ません。
「でも、どっかで会った事があるなぁ…。」
と、しばらく考えていましたが、どうしても思い出せません。
僕は駅に着いたので、なんだか釈然としないまま電車を降り、帰宅しました。
家に着いて、妻にこのことを話しましたが、
「ああそうかい。」
と、てんで相手にしてくれません。
それよりも、千代鶴是秀の「刃物の写真集」に興味深々です。
やはり、「刃物の写真集」という一種変態的書物のインパクトに面白さを覚えたようです。
その面白さを、友達に知らせたくなったのでしょう、メールを打ち始めながら僕にこう言いました。
「えーと、その人なんつったっけ?両口屋是清だっけ?」
「老舗の和菓子屋じゃぁないんだから。」
と、僕は静かに言いました。
「ひょっとこ」のことを、妖怪の一種だと思っていた妻は、
千代鶴是秀という名前をなかなか覚えません。
最近では、「千代に八千代に」とか言いだす始末。
千代しか合ってないし、それじゃ「君が代」の歌詞を言っただけです。
話は変わりまして、
最近、地震に敏感になってしまいました。
いつも揺れてるように感じて困っています。
足を組んだり、正座すると動脈が圧迫されて、
ドックンドックンと身体が動きますので、
「地震だ!!」
なんて、飛び起きざまに、
窓ガラスに映った自分が着ているTシャツのモナリザに
「人がいる!!」
などと、一人で騒いでいると、情けなくって涙が出てきます。

このTシャツは、もう二度と着るもんか!といつも思うのですが、
忘れた頃に着てしまい、いちいち驚いてしまいます。
この一連の流れ(動脈でビックリ→Tシャツで腰を抜かす)はしっかり妻に見られ
めちゃくちゃ軽蔑されました。
そう言えば、
この間の地震の時、こんな事がありました。
アトリエで妻と一緒に居た時に地震に遭遇したのですが、
物が沢山落ちてきて危険だったので、二人して表へ駈け出しました。
町全体が、ガッサガッサ動いていました。
しばらくして、揺れがおさまりまして…、
僕は恐怖で顔を強張らせ、呆然と立っているしか出来ません。
そして、横にいた妻が顔面蒼白のままこう言いました。
「こぉわぁかったぁ~❤」
未知やすえのマネをしたんです。↓
誠にどうも怪しからん奴だと思いましたが、偉い!と褒めてやりたくなりました。
地震で、この『猫に蛸』もコロンと棚から落ちましたので、
キズのチェックをしていた時です。
僕は重大な事に気付いてしまいました。
「あの、女学生に似ている…。」
赤ら顔で、口はとんがり。つぶらな瞳。
どこをとっても、あの電車の中の女学生姉妹に瓜二つです。
年頃の女性をタコに似ているなどと言うのは、
誠にどうも失礼な話ですが、しょうがありません。
写真に撮っておけば良かったと悔やまれます。
本当にそっくりだったということは、僕しかわかりません。
それが悔しくてなりません。
僕の作品にそっくりな姉妹が居たという感動を、
どうしても皆さんと共有したいという執念にも似た感情が
ふつふつと沸いて来ました。
そこで僕は、
写真が無いので作品の方を女学生姉妹に近付けてみました。
まずは、向かって左側に座っていた女学生です↓

つづけて、右側に座っていた女学生。↓

これはもう、ホントにそっくりです。
めちゃくちゃ似ています。
いつか、偶然にもあの姉妹にまた会えたなら
この作品をプレゼントしたい位です。
しかし、見ず知らずの男に、
「はい、あなたにそっくりなタコの彫刻です。」
と、言って渡されたら確実に僕は殴られてしまうと思うので止めておきます。
今日も来てくれてありがとうございます。
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- 2011/03/29(火) 09:59:52|
- よもやま噺
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