僕のホームページを完全リニューアルしました!

それに合わせて、ロゴマークも一新。
左からありちゃん、こうもりちゃん、いもむし君、ロボットちゃん、と
シドロモドロ工作所内で、局所的プチ大ブレイクを繰り返す人気者を
ごたごた並べてお茶を濁すという我ながら斬新で素晴らしいデザインだと思います。
リンクがどっさりあるので、色々なところをクリックして読んでみてください。↓
シドロモドロ工作所このホームページをつくってくれたのはコチラ。↓
ぼてちんウェブ部僕の古い友人なのです。
「シドロモドロ工作所」やら「ぼてちんウェブ部」やら、なんだかボンヤリした名前で恐縮です。
しかし、腕は良いです。
自分で簡単に更新出来るように作ってくれるので、
ご興味のある方は問い合わせてみてくださいまし。
そんなこんなで、
僕は相変わらず、
木を削って小さくしているだけの生活(妻がそう言います)をしています。
「あんた、今日も木を削って小さくしに行くのかい!?かえりに牛乳買ってきておくれ!」
と、
送り出されるのは近所の手前もありますし、止めてほしいです。
そんな声を背に、僕は今日も木をどっかから引っこ抜いて来て削って小さくしていきます。
これは旋盤で丸く引いた木を、マリオネットに組んでみました。

ここから彫って、ちくわのマリオネットにしていきます。
なぜ、ちくわなのか?
これを読んで頂けると分かると思います↓
ちくわの美と造型女性の胸像と、男性像も彫り始めました。


ひっくり返った男のおちんちんは失敗しました。
小さすぎます。
別材で、おちんちんだけ作って貼り付けます。

「おちんちんは神様の失敗作だ。」
と、有名な彫刻家、舟越保武先生は著作の中で仰っておりました。
「おちんちんの造型自体が不格好でどうしようもない。
だから小さく作るか、子供のおちんちんと差し替えるしかない。」
と、書き残しています。
注 (舟越保武先生は「おちんちん」とは書いていません。僕の要約です。)
たしかに、彫刻でのおちんちんの処理は難しいモノなのです。
おちんちんを作ると、子供がおちんちんだおちんちんだと騒ぎ、
それを注意する大人も、おちんちんおちんちん言うのは止しなさいと、
注意しなければいけません。
これではミイラ取りがミイラになってしまいます。
おちんちんがおちんちんになってしまうのです。
この部分をとってみただけで、おちんちんが彫刻家にとって困難なものであるのが良く分かると思います。
ちなみに僕は舟越保武先生の作品と著作の大ファンです。
これは、僕が美大予備校生の時にもらったサイン。先生の著作に書いてもらいました。

脳梗塞で倒れ、右半身が不自由になられても、
左手で、亡くなるまで制作を続けていました。
ですからこのサインは左手でゆっくり丁寧に書いてくれました。
「名前、なんていうの?」
と、聞かれ
僕はカチンコチンになりながら、
「タカオキです。こういう字です。」
と、メモ帳に書いて見せました。
「良い名前だねぇ。」
と、言ってくれました。
次の日、美大予備校で大自慢大会です。
「俺は舟越保武に良い名前だねぇと言われたぜ。ざまぁ~みやがれ!バカヤロ。」
仲間達は、少しの間ポカンとし、それから黙々とデッサンを描いていました。
20年前の冬の出来事です。
と、言うようなわけで。
手だって頭部だって、
人体のカタチはどれも息をのむ位、
本当に美しいモノです。
しかし、
おちんちんだけがみんなに笑われます。
なんで神様は、おちんちんにだけ、茶目っけを出してしまったのか。
それは、
シリアスなモノばっかり作っていた創世期に
「たまには受けを頂きたいなぁ。」
と、思ってしまったからでしょう。
この点、
完全に僕と一緒です。

何とも言えない可笑し味があります。神様なかなかやるじゃない。

フォルムだってカタツムリちゃんみたいで可愛いではありませんか。
小さいおちんちんを削ぎ落として、平面を作り、圧着します。


新しいおちんちんがくっつきました。


完璧です。
数多の彫刻家から
「不細工なモノ作りやがって!」
と、脅かされていた神様も喜んでいるはずです。
ちくわのマリオネットも一気に彫り進めました。


そして、
一息に着色して完成です。↓

名前は、ちくわちゃんです。




ちくわちゃんのおちんちんの小ちくわちゃんです。

足は、半分に切ったちくわです。

サインはお尻に入れました。


頭の穴にチーズとキュウリが入っています。




コントローラーもちくわです。

後ろにサインが入っています。

とっても動かしやすいです。

清純女学生ちくわ。

妖艶ブロンドちくわ。

シドロモドロ工作所特製ちくわTシャツとちくわちゃん。



全日本ちくわ振興会の関係者の方、もしくは、全国ちくわ青年会議所の関係者の方。
見ていたらご連絡下さい。
ちくわ界繁栄の為、このちくわちゃんをお安くお譲りいたしましょう。
それから、キャラクター使用料の件ですが、スイスにある僕の隠し口座に適当にお振込ください。
口座番号は4126です。ヨイフロと憶えてください。
聖ジョセフちゃんと、ちくわ一門との記念撮影。

ちくわちゃんが、池袋のライブハウスで踊り狂いました。↓
アンコールでもうひと踊りです。↓
ご覧の通り、その日は偶然、40歳の誕生日でした。
プレゼントに頂いた巨大ちくわと記念撮影。

巨大ちくわを、包丁でバラバラに解体し
天ぷら粉まみれにさせ、熱い油に突き落とし、磯辺揚げにしてやりました。
晩御飯です。

同胞が磯辺揚げにされて放心状態のちくわちゃん。

食卓で磯辺揚げを頬張りながら、妻が言いました。
「あんたな、坂上田村麻呂は40歳で征夷大将軍になったんや。」
僕は、きゃっきゃきゃっきゃ言いながら、大好きな磯辺揚げを食べていましたし、
なにしろ40歳という記念すべき日の大事な食卓です。
陰気な空気になるのはご免です。
なんで坂上田村麻呂と比べられなければいけないのかと抗議しようとしました。
抗議しようと思いましたが、「坂上田村麻呂」というワードがいきなり飛び出してきたものですから
驚いちゃって僕はボンヤリしてしまいました。
なにか言い返したかったのですが、舌がつって喋れません。
口をパクパクしていると、また妻がこう言いました。
「あんたな、夏目漱石は40歳で「坊っちゃん」を発表したんや。」
そして、頬張っていた磯辺揚げをのみ込むと、
もう一本磯辺揚げを箸でつまみ上げ
そのつまみ上げた磯辺揚げで、僕を差しながらこう言いました。
「あんたは、40歳で「ちくわちゃん」を発表かや。」
もの凄いトンチが効いているので、またボンヤリしてしまいましたが
僕も40歳の男です。
こういう時は、ガツンと言ってやらなくてはいけません。
「犬飼毅をクレイジーキャッツのメンバーだと思っていたくせになんだ!」
と反撃しましたが、
これが一番気にしていた事らしく、凶暴化。
「鉄人衣笠は40歳で引退やで!」
と、
何だか分かりませんが、返り討ちに遭いました。
妻は奄美大島でハブと一緒に育ってますから、なかなかの強敵です。
しかも、巳年です。
僕は「カエル年」ですからどうしたって呑み込まれます。
しかし、僕も『40歳で「ちくわちゃん」を発表』した男です。
逆らったら、只じゃすみません。
まぁ、最後は僕の一言でグッと押えました。
「俺が悪かった。」
殺伐としてまいりましたので
フンワリとした可愛い新作をご紹介します。
虹ライオンちゃんです。




大きさはこれ位。

フロムハンドちゃんといいます。


手のひらサイズです。

みんなで記念撮影。

雰囲気がホカホカしてきたところで
また、ちくわちゃんの話です。

うちの猫とちくわちゃんが決闘しました。


猫との激闘をご覧ください。↓
「ちくわちゃんの悪夢」というショートムービーを撮りました。↓
ちょっと先ですが、
お知らせです。

東京の飯田橋駅から徒歩2分『パペットハウスギャラリー』で行われる展覧会
『The Art of Puppets 2013』に
僕が作った木彫マリオネット、聖ジョセフちゃんと邪鬼のジャッキーが出品されます。↓

(写っちゃってるロボットちゃんは出ません。)
7月13日(土曜日)〜7月20日(土曜日)まで。会期中無休 11時〜19時。
80代から30代まで、イラストレーション・人形アニメーション・造形アート・創作人形・人形劇など、
さまざまな分野で活躍する日本人作家がパペットを競作します。
世代を超えた自由な発想から生み出される、大人の想像力を刺激するパペットの数々をご覧いただけます。

ギャラリーの2階が、店舗になっていて世界中のマリオネットがご覧頂けるようになっています。
ちくわちゃんも、2階に居ます。
そして、コウモリちゃんも、このように仏頂面で迎えてくれます。

買うと笑います。
木彫ですが、そういう風に作っています。
店主に言えば、倉庫の肥やしと化している、「いもむし君の神様」と「女の子」という
僕が作ったマリオネットも見せてくれるはずです。

これは買うと、目覚めて家事手伝いとなり、色々助かります。
木彫ですが、僕はそういう風につくっています。

是非、お誘い合わせの上、見に行ってやってください。
よろしくお願い致します。
お知らせ その2

『シドロモドロ木彫ワークショップ』 を、夏あたりに開催しようとモジモジ計画中です。
場所は、東京。 表参道の骨董通り。
万が一、楽しくなくても、帰りに近くのブルーノートでジャズを聴いたり、表参道ヒルズで豪遊など、
憂さ晴らしが出来ますので安心してください。
丸一日で、クスノキを彫刻刀で彫って色を着けて、持って帰れます。
持って帰っても家族に文句を言われない大きさですから安心してください。
身一つで来て頂けるように道具は全てお貸しします。
「どうせ閑古鳥が鳴くわな。」
と、現在、妻に馬鹿にされております。
「お稽古日時にもよるけど門下生になってやっても良いかなぁ…。」
と、薄ボンヤリ思う慈悲深い方、ふんわりとコメントくださいまし。
詳細決まりましたら、Facebookページで発表いたします。
よろしくお願い申し上げます。
先日、
田島家の、遠い血筋に当たる方から (お会いしたこともありません)
祖父である 彫刻家 田島亀彦の作品が送られてきました。

祖父17歳の時の作品だそうです。
と、いうことは110年前のモノ。

祖父が17歳というと…。
京都で、小仏師並川新次郎に入門。
一年で並川門を離れ、同じ京都の大仏師田村正運についた頃です。
その時の習作でしょう。17歳とは思えません。
漆が剥がれて、かなり痛んでいますが
良く出来ています。
なぜ、いきなり送られて来たかというと、
僕が書いたこのブログ記事を偶然見つけて、読んでくれたそうです。↓
大正期の彫刻界~ぼくのおじいちゃん~田島家の彫刻家三代噺こちらも祖父、父、僕の三代にわたったお話です↓
もう角はいらない そして、祖父の貴重な作品を幾つか送ってくれました。

7、8センチくらいの小さなものです。天部の荒彫りです。
これは、僧形像の首。

手前の天部の首像は、親指くらいの大きさです。
右端は六波羅蜜寺の空也上人像の模刻でしょうか。良く似ています。
17歳のおじいちゃんが
親方にヒノキの小さい木端を貰い
一生懸命勉強したのでしょう。
修行時代の熱い気持ちが伝わってきます。

「才能というのは遺伝しないもんやなぁ。」
と、犬飼毅の事を持ち出されたのを根に持っているのか、
因縁をつけてきます。
しかし、
これらの作品を手に取り、撫でまわしていると、なんだか不思議な心持になりました。
17歳のおじいちゃんと、会話ができたような気持ちになったのです。
彫り跡は、110年前、17歳のおじいちゃんが力を込め、削った跡です。
そこを指でなぞると、ナンダカワカリマセンが、
また少し、おじいちゃんの事がわかりました。
宝物です。
送って頂いた方、本当にありがとうございました。
110年の時を超え、記念撮影。
祖父、17歳。 僕、40歳。

祖父、17歳。 僕、40歳。

夏目漱石、40歳で「坊っちゃん」を発表。
祖父、17歳。 僕、40歳。
祖父、17歳。 僕、40歳。
坂上田村麻呂、40歳で征夷大将軍。
田島享央己、40歳でのり巻を彫る。

今日も来てくれてありがとうございました。
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- 2013/05/23(木) 13:00:00|
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どっさり彫刻をこしらえました。
新作発表の乱れ打ちです。
久しぶりに、大きい木彫マリオネットもこしらえました。
まず『動物たち』

お尻にサイン。

キリンが、だいたい30センチ弱です。


なかよし。

いろんなディスプレイが楽しめます。

「あれ、乗れるの?」


「僕も乗るよ!」


この動物たち、実は看板なんです。

東京は五反田のネイルサロンに設置されています。

看板の字も僕が描きました。

僕の悪筆ぶりが妙にマッチしています。

字が下手で良かった。

こちらで『動物たち』の制作工程がご覧いただけます。↓
動物たち制作工程手乗りサイズのハシビロコウも彫りました。


足の裏にサインです。


ストラップにもなります。

制作工程はコチラ↓
小さいハシビロコウ制作日誌猫も作りました。

チンチラという種類の猫です。

毛繕い中、無意味に名前を呼ばれてムッとするチンチラ猫です。

サインは裏に。




制作工程はコチラ↓
チンチラ猫制作工程犬もこしらえました。


全長40センチくらいです。


サインは前足の裏。


りりしく出来ました。


猫と記念撮影。

制作工程はコチラ↓
犬制作工程ウーパールーパーも彫りました。

立ち上がるウーパールーパーです。


背中にサイン。

恐竜のモノマネをしているのです。

制作工程はコチラ↓
立ち上がるウーパールーパー制作工程ひな人形も作りました。

一体で済むように、くるっと回すとまた顔があります。↓

エビフライちゃん。

ストラップです。

揚げられても笑っています。

ブタ。

手乗りサイズです。



こんな小さいブタだったら飼ってみたいです。


さやいもむし君。

小さいのが、だいたい10センチくらいですから、大きいです。



さやボートです。




サインは裏に。

みんなと記念撮影。


シーズー犬。
手乗りサイズです。

みんなと記念撮影。

「あれ、登っちゃったよ。」

「てんとう虫くん来ちゃったよ。」

変なブレーメンの音楽隊です。

ヒヨコとくま。


いいコンビです。




これは、何でしょう?

シオンちゃんと言います。





シオンちゃんは、京都にあるサロンのマスコットなんです。イラストも僕のデザインです。





トンマな後ろ頭です。

僕の猫と記念撮影。

先ほどの、猫と犬。

カツラをかぶせたら妖艶な白人ジャズシンガーのようです。

「なにやっとんの。」

こちらは、田舎の女学生のようです。

「またを閉じなさい。」

「僕もかぶりたいです。」


そんなこんなで、
数か月放置していた、木彫マリオネットの『セントジョセフちゃん』
を完成させます。
また手を入れてもらえて嬉しそうです。

細部までしっかり仕上げていきます。

今回はジョセフちゃんが乗る台座として、邪鬼のジャッキーもこしらえました。


ジャッキーの長い尻尾で、吊るしているワケです。

彫りが終了した状態です。これから着色に入ります。

全体に白を塗ります。

青を差します。

赤と黄色を、ほんのり加えます。

紫を塗ります。

この辺りから、それぞれの色に分かれていきます。

だんだんと立体感が増していきます。

ベースの色を生かすように、いろんな事をして進めます。

だいぶ良いですが、まだです。もっと深くなるようにします。

形がコリっとしてきました。

ジャッキーに瞳を描き入れます。
緊張する一瞬です。

ジョセフちゃんの瞳も描き入れます。
2人とも、なかなか良い表情です。ここからさらに手を加えます。


写真では分からないですが、微妙に変わっています。

これでだいたい良いでしょう。でも、まだいじります。


このあたりが、止め時でしょう。

瞳を光らせるためのガラスコーティングをして、最後に蜜蝋で磨いて終了です。
バラバラのジョセフちゃんを組んで、
糸を張り、いよいよ完成です。↓


不思議な2人です。

高さは、だいたい1メートルちょっとです。

なかなか良い色に塗れました。


コントローラーにも、僕のサインを入れました。

かわいいお尻のジョセフちゃん。



ジャッキー。人のよさそうな表情に出来ました。

ジョセフちゃんの足の裏にサインです。


ジャッキーの前足の裏にサイン。


「じゃまだな~」




ちくわ一門と記念撮影。個展帰還兵である動物たちも一緒に。

木彫マリオネットのロボットちゃんと記念撮影。


火炎光背のジョセフちゃん。


ジョセフちゃんは、角度によって色々な表情に見えます。






この顔!ちょっと悪い顔。

かと思ったら幼い表情に。髭面なのに。

関節は皮を挟み込んでいます。

僕もお気に入りです。

「ど、、、、どなたか、、、か、、、買っっ、て、買っって。」

「買ってください!!」

ジョセフちゃんがロックを踊ります。
ジョセフちゃんが、早春の散歩に出かけました。
今日も来てくれてありがとうございました。
- 2013/03/11(月) 16:45:33|
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先日、猫にエサをやりながら、僕はつぶやきました。
「何もしていないのに、お前はお腹が空くんだねぇ。」
と、猫に話しかけたら、そばで寝そべっていた妻が
「なんやと!!」
と、怒りだしました。
僕は、猫に言ったんだよと弁解しましたが、
一度ふりあげたコブシを、そのまま下ろす訳にもいかないようで、
まったく関係の無い小言を、くうハメになってしまいました。
「だいたいは売れない」やら「マリオネットが気持ち悪い」
「マリオネットがデカ重い」
「近所の子供がそういってたよ。ハナクソ彫刻だって。」
「それより、そこのお膳拭いてお茶碗洗っとくれ」など、
僕は、とりあえず冷蔵庫から牛乳を出し、
部屋のすみで飲み、深呼吸をしました。
猫も、ちょっと申し訳なさそうな顔をしています。

最近、妻からの『圧』が強くなっている原因が
この、
コウモリちゃんと
女の子です。
全身全霊をかけて作ったのですが、どうも一般的な受けを頂けず、旅立てないでいます。
「お店に迷惑」
との、小言もくいましたが、バカでかいのでその通りだなぁと反省します。
「カワイイのは出来んのかい、ボケ」との小言もくいましたが、
それだったら出来そうです。
こういうのや、

こういうの。

ハリネズミも作りました。

どうでしょう。

我ながら、
鼻につくほど可愛いではありませんか。
さて、
失敗は許されません。
猫にエサをやっているだけで、小言をくう生活はもう嫌です。
僕はまず、「かわいい」とは何なのかを研究するところから始めます。
今までとは、意気込みが違います。
どうしても普通に猫の世話をしたいのです。
調べたら「かわいい」ということについて研究した、本物の科学者を見つけました。
オーストリアの動物行動学者コンラート・ローレンツさんです。
この先生、鳥のヒナが孵化して最初に見た動くものを
親と認識して後をついていくという、刷り込み現象説を唱えた方で
なぜ親は子供の面倒を見るか?ということも研究して「幼児信号」というのを、発見しました。
その「幼児信号」というのが発せられると、
有無を言わさず面倒をみてしまうように、遺伝子に組み込まれているそうです。
その「幼児信号」というのは、
身体の大きさに対して頭が大きい。
小さな顔のわりには張り出した額。
頭全体の真ん中より下にある大きな目。
短くて太い手足。
丸みをおびた体型。
柔らかくて弾力性に富んだ外観。
丸みを帯びてふっくらとした頬。
小さな口と小さくて引っ込んだ顎。
ぎこちない動作。
これを、
僕はその通りにデッサンしてみました。

気持ち悪いです。
世話をしたくなるどころか、怖くって表へ駆け出したくなります。
やはり彫刻家は、指で思索しなければいけません。
僕はアトリエにこもり、
小さくて、「かわいい」マリオネットを一気呵成に仕上げてみました。↓



この小さいマリオネットは、
アリちゃんの頭部に、いもむし君の色を持ち、

ボディは、てんとう虫くん。

そして、ロボットちゃんの手を持ち、

コウモリちゃんの黄色いクツ、という

シドロモドロ工作所の人気者の特徴をブっ込んだ傑作です。
だから名前は、シド江ちゃん(しどえ)と言います!素晴らしい作品です!
と、妻に説明したら、また小言です。
「何で素直に出来ないのか」 「何で笑を欲しがるのか」 「しかもすべっている」
「題名がダサい」 「ハッキリ言って気持ち悪い」
「それはいいけど、ゴミ捨ててきて」 などの小言でした。
僕はトボトボと、ゴミを集積所に持って行きながら、
シド江ちゃんを、つい、こんな色にしてしまったのを反省しました。

でも、僕はけっこう好きなんですが…。

どうでしょう?

シド江ちゃんは20センチ弱です。糸も短くしているので机の上や手のひらで動かせます。

コントローラーです。どなたにも簡単に操れます。

ハリネズミ と シド江ちゃんの記念撮影。

僕の彫刻とシド江ちゃんは、さすがに相性が良いようです。

こんなふうに飾るのはいかがでしょう?



こんな組み合わせも、良いのではないでしょうか。

アルパカとシド江ちゃん。妙にしっくりきます。

将軍騎馬像のような勇ましさも感じます。

最後に、
シド江ちゃんとロボットちゃんを操って、泣ける映画を撮りました。↓
今日も来てくれてありがとうございます。
- 2012/09/11(火) 19:17:00|
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カエルをモチーフに木彫マリオネットをとのご依頼を頂きました。
完成までの制作工程をご覧ください。
クスノキを製材して、軽くデッサンします。

ノコギリでいらない部分を切り落とします。

ちょっと彫ってみます。右上はカエルを動かす為のコントローラーです。

さらに彫って形を出していきます。舌をちょっと出しました。

身体も丸くします。

手足を彫ります。

あとは、みっちり仕上げて彫りの終了です。

試しに組んでみます。

コントローラーと本体を糸で結び、動きをみます。
合格です。

次は着色です。
まず、全体に白を薄く塗ります。

赤と青をまだらに塗ります。
カエルは緑ですが、こういう関係ない色が、あとあと効いてくるのです。

その上から黄色を塗ります。

そしてやっと緑色を塗ります。

眼と模様を黒で塗ります。

眼は金色を重ねます。

ここからは色々な事をして、微妙な色彩になるように仕事をしていきます。

分かりにくいですが、だいぶ変わりました。小技を連発する工程です。

どこがどう違うのか分からないと思いますが、これで納得しました。
良い色に塗れたと思います。

サインはお尻に彫りました。

舌を赤くして、目玉をガラスコーティングで光らせます。

舌もテラテラさせたいので、ラッカーを塗ります。

蜜蝋でみがいて全体にツヤをあたえます。

手に皮紐をつけて、足は金具でつなぎます。

いよいよ、首をすげます。

出来ました。
まだ、伸びきってボンヤリしているみたいです。

糸を張って終わりです。

タイトルは、
『カエルちゃん』です。
「あんた六十、七十になっても『~ちゃん』やら『~くん』ってつけるのかや?」
と妻は心配してくれます。
大丈夫です。
六十、七十になったら『~さん』という手があります。
そう妻に言うと、
心なしかホッとした表情になった様にみえます。
そして夫婦茶碗を、いつもよりガチャガチャ音を立てながら洗っていました。
ホッとした表情とガッカリした表情は似ているという事を勉強した瞬間でした。
そんなこんなで、『カエルちゃん』の完成です。↓


カエルの黒目は、あえてハッキリさせませんでした。
大きくてハッキリした黒目は、全体の感じをダメにすると思ったからです。

漫画的表現だけでは無い、微妙なラインを狙いました。


ひょうきんで、トンマなカエルちゃんが出来たと思います。






カエルの肌の、金色だか白だかナンダカワカラナイ不思議な色に近づけたと思います。


カエルは普通に作っても可愛いです。
でも、僕は感情移入出来そうで出来ない可愛さにしたかったのです。

見る人から、微妙な距離をおいて逃げ続けるカエルだと見あきないかなぁと思いまして。








相変わらず『TAKAOKI』という小学生レベルのサインです。
カッコいいサインを色々考えていた時期もありますが、自分の中に無いモノはやっぱりダメです。



ここでちょっと休憩。
頭の中を、ふんわりさせたいので
いもむし君ストラップと、化粧の筆ちゃんを作りました。

ふんわりさせたところで、前回の続きです。
ここまでだった
この女の子も完成しました。
あとは、コントローラーを装着するだけです。

頭のてっぺんに穴をあけ、8ミリの鉄棒を差し込みます。

これがコントローラーの持ち手です。

こうなるわけです。

糸を張って、いよいよ完成です。

タイトルは『女の子』です。

愁いをおびた悲しげな瞳と表情に彫れたと思います。


それでいて、どこかユーモラスな雰囲気も残しています。




肌の色も上手く塗れました。キチンと血がかよっています。






















サインは右足の裏に彫りました。

今回も、どっしり魂がのっかった作品になったと少しだけ自惚れて、
すぐ忘れようと思います。


カエルちゃんと女の子で記念撮影です。





偶然仕事が重なったのですが、不思議な、いいコンビです。

個展が終わって、会場からコウモリちゃんが帰ってきました。

沢山の方に来て頂きました。
ありがとうございました!!!

ロボットちゃんも帰って来たので、みんなで記念撮影です。



アトリエに、これだけ木彫マリオネットがそろったのは初めてです。
奇妙な集団で可笑しくなりました。






まったく意識していなかったのですが、この二人お似合いです。


二人は恋人どうし。
そう考えると、とても良いポートレートです。

女の子の口元がほころんでいるようです。


カエルちゃんとロボットちゃん。この二人はどうでしょう。

ロボットちゃんもカエルちゃんも性別は意識して作らなかったので、
恋人には見えません。
僕には、仲良しの酔っぱらいに見えます。

「おう、ガマの店にいこうじゃねぇか。」
「じゃ、イボも誘おうか。」
「嫌だよあいつは。トノサマならいいよぉ。」




ちくわ一門と記念撮影です。


一門のオタマジャクシちゃんも嬉しそうです。

てんとう虫ちゃんに乗られて、ちょっと嫌そうです。

ホント、訳のわからない集まりです。

この、木彫マリオネットの新作、女の子とコウモリちゃんが
東京の飯田橋にある『パペットハウスギャラリー』で展示販売されます。
7月14日(土)から7月21(土)まで。
さまざまなジャンルの作家によるアートなパペットの展覧会です。

会期中は無休です。

11時から19時まで開いております。

飯田橋駅東口より徒歩2分です。

B1出口からだと、徒歩1分です。

是非、来てください。

そして、私達を買ってください。

よろしくお願いしますよ!

最後に動画のご紹介。
まず、
女の子とカエルちゃんが踊り狂っているところをご覧ください。
そして、
僕は、カエルちゃんとロボットちゃんで映画を三本撮ってしまいました。
まずは、カエル刑事(←デカと読みます。)が大活躍するアクション映画です。
次は、『ロボットちゃん死す』というシリアスなメロドラマです。↓
前作の『ロボットちゃん死す』がバットエンドだったので、
こんどはハッピーエンドにして全編撮り直ししました。↓
『ロボットちゃん死ス』で泣いてしまった方も居ると思います。
笑わせるのを信条にしている『シド工日記』なのに
泣かしてしまい、すみませんでした。
映画を撮り終え、
助監督の妻に僕はこう言いました。
「まったく、怖いよねェ…。己の才能が。」
妻は、心なしかホッとした表情をしている様に見えました。
今日も来てくれてありがとうございました。
- 2012/06/19(火) 13:00:00|
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現在、個展開催中です。
場所は取手市小文間(オモンマ)。
5月11日〜6月3日の金土日のみオープン 11時〜18時まで。
会場の一部をご覧ください。↓

見てのとおり、節操のない展示となっておりますので少しは楽しめると思います。
併設されたカフェのテラスから。↓

明るくて、とても気持ちのいい空間です。
お食事もお茶も、とっても美味しいです。

作品も販売しておりますし、ご注文も受け付けます。
ご連絡して頂ければ、ギャラリーに居るようにしますので
是非遊びにきてください。
よろしくお願い致します。
詳しくはコチラ↓
ギャラリー&カフェ オモンマテントところで、
去る5月3日。池袋のライブハウス『鈴ん小屋』で行われたライブは、
おかげ様で大盛況でした。
木彫マリオネットのロボットちゃんの踊りが、お客様に受けてホッとしました。
その様子をご覧ください↓
このロボットちゃんも、展示してますので、ぜひギャラリーにお越しください。
僕が居る時であれば、このようにロボットちゃんを操れますよ。

実際に動かすと、とっても楽しいモノなんです。

よろしくお願い致します。
さて、
そんなこんなで。
新しい作品を、また彫り始めました。
僕の木彫マリオネットを取り扱って頂いている、
東京は飯田橋の
パペットハウスさんのギャラリーで、『The Art of Puppet展』を開催することとなり、
僕も出品することになりました。
会期は、7/14(土)~7/21(土)を予定しているそうです。
コウモリちゃん一点を出品するのもいいですが、もうチョット出したい。
どうせなら新作を出してみたい!
と、いう事で。
集中して一気に彫り始めます。
まず、木を製材して組んでいきます。
可動部分の細工も済ましておきます。

今回は、いつものアホみたいにデカイのではなくて、
ちょっと大きめかな?というマリオネットです。
女の子を作りたかったので、軽くデッサンしてみます。

いらない部分を落とします。

さらに、細かく落とします。

顔をチョット彫ってみます。

なんだか面白い顔になりそうです。
さらに手を入れます。

可愛い可愛い女の子の人形はよそに沢山ありますから、
僕はヘンで面白い顔の女の子を作ります。
よく言いますが、「飽きる」顔より、「慣れる」顔です。
この女の子の顔も、じきに慣れますから見ててください。
最後には可愛いと思っているはずです。
これは、
僕の実生活から学んだ教訓です。
手と足も彫り進めます。
頬を赤らめて様子をみます。

全体にだいぶ仕上がってきました。

ちょっと、立たせてみました。

不思議で面白い存在感が出てきました。

ここから、さらに突っ込んで仕事します。
細部のクオリティを高めていき、力がこもる様に。

あと少しで仕上がりそうです。

手足も、丁寧に仕上げます。


これで、彫りの全てが終了です。

続いて、着色です。今回は普通の肌色にしようと思います。
まず、白を全体に。

皮膚の青白さを出すために、青みをさします。

その上から、
血色を出すために赤みを入れます。

髪の毛は、金色にしたいので
ベースとして黒を塗っておきます。

その上から、金色を。

ボディと合わせて様子を見ます。
だんだん出来てきました。

さらにさらに。
人の肌色に近づけるため、
色々な事をして色彩に変化と深みをつけていきます。

これで、だいたい良いでしょう。
血が通ってきました。

次は、眼です。
眼のまわりにメイクをします。
そして、白く塗って…、

瞳を描き入れます。

ちょっと視線を外し気味にしました。
不思議な女の子の表情になりました。

なんとも言えない、生々しい感じの仕上がりです。

これで、着色の工程は終わりです。

組み立ての前に、鑿跡を際立たせる細工をして…、

唇と眼球を、濡れた感じになる様に塗装します。

蜜蝋で磨いて…、

いよいよ、組み立てです。

目覚めた感じです。
不思議な佇まいの女の子が出来ました。

これから、コントローラーを取りつけて、
糸を張って完成ですが…、

続きは、次回のシド工日記で。
完成写真をどっさりと、女の子が踊り狂う動画でたっぷりご紹介します。
お楽しみに。
最後に。
今回の僕の個展に来れない方のために、
ロボットちゃんが特別に、会場をご案内します!↓
これを見て、行った気になってしまい「見に行かなくてもいいか。」と思わないでください。
会場に閑古鳥が鳴きまくり、僕は塞ぎ込む事になり、世界経済が破綻します。
昔のインドのことわざに、こういうのがあります。
『彫刻家一人助けると、猫千匹助けるのと同じ功徳がある。』
今日も来てくれてありがとうございます。
- 2012/05/12(土) 11:56:58|
- マリオネット
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