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シド工日記 (しどこうにっき)

仏師の流れをくむ彫刻一家にたまたま生まれ、私自身は5代目の彫刻家です。田島享央己(たじま たかおき)と申します。美術界の「フチ」にかろうじて手をかけている者ですので、どうかご存知のない方はこれを機会に覚えていただけると嬉しいです。

イカ

大学の時、



フランス語をとっていました。







「お前ら、どっちみち、6年間英語やって、まったく喋れないだろ?」



続けて、




「だったら、違うのやってみろ。  …お前ら、どっちみち駄目なんだから。」





と、彫刻科の先生に言われ、




「それもそうだな…。」




と、フランス語をクラスメイトの何人かと、取ることになったのです。








『どっちみち駄目』な僕らは、フランス語の発音を面白がるばかりで、




(タンでもからんでいるのではないか?という発音がお気に入り)




当然、身にならなかったのです。







美術大学の学科の先生と言うのは、




優しい『お前らどっちみち駄目だろう感』があり、


こんな僕らでも、ひじょうに可愛がってもらいました。






 









こんな、大学時代。









夜は、生活費を稼ぐため近くのフグ料理屋さんで働いておりました。

卒業して10年の今でも、ご縁は続いております。













そのフグ料理屋さんから、先日、イカとフグを大量に頂きました。







その御礼にと、イカを送ることにしました。


































いか1

クスノキでつくったイカです。


RIMG0029いか1

プレゼント前提で作ったモノは、いつも、あげるのが惜しくなります。



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なんとなく、いつも、良いものが出来る気がするのです。




RIMG0032いか3

サインは滅多に入れないのですが、入れちゃいました。



RIMG0033いか4

あげる人の事を考えながら、喜んでもらいたい!と思いながら、作るからでしょうか。


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とっても楽しいのです。 


RIMG0035いか6

こういうものは、ホント、短時間に出来てしまいます。


哀愁があるいい写真↓  「明日、僕、食べられます。」
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ただ、足の表現はどうしよう?と少しだけ考えました。



RIMG0038いか8













「何本だっけ?」





と思った瞬間。





























フランス語学生だった頃の座右の銘。









































「タコのあしはぽ~ん、イカのあしじゅぽ~ん。」










を思い出し、すぐに解決いたしました。














































言いたいことは、これだけです。








今日も来てくれてありがとうございます。
  1. 2010/10/09(土) 12:28:14|
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ねこさらっちゃった

と言う作品です。


高さはだいたい15センチ位のモノです。


RIMG0204ねこさら13




これは、絵本の素材として作ったものです。

その絵本は、僕のホームページで読めますので是非ごらんくださいませ。

シドロモドロ工作所
    
 http://www.takaoki.jp/    (ホームページが新しくなりました。)



このブログのリンクからも行けます。「シドロモドロ工作所」の所をクリック。




RIMG0210ねこさら12







絵本のストーリーは実話で、





出てくる破天荒な少女は、僕の奥さんがモデルです。




当時、この話を喜々として話してくれたのですが、




どうにもその猫が不憫でならず、僕は怒りました。
    


「捕まえて返してこい!」










それから、
こうも言いました。








「例えばだよ。   …俺が誘拐されたら、飼い主は悲しくなるでしょ?」










しぶしぶ探したそうですが、

当然見つからなかったそうです。








       オチも実話です。








でも、猫と飼い主には悪いですが、物語として面白いので作ってしまったのです。





この子らは「バラ売り」したので、全国にちらばってしまいました。





お客様。どのページの子かわかりますか?


















僕は当然分かりません。




今日も来てくれてありがとうございます。
  1. 2010/08/14(土) 20:01:31|
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いもむし君

一番最初に、


作った、いもむし君の作品です。



























指をさして数えるところ、「いーち、にーい…」


と心の中で言いませんでしたか?



僕は何回見ても、つい言ってしまいます。





不思議です。








自分では、「あっちむいてホイ」が異常に弱いのと、関係があると分析します。










今日も来てくれてありがとうございます。


  1. 2010/08/04(水) 08:15:52|
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ハシビロコウのモビール

ハシビロコウという鳥をモチーフにした彫刻は以前ご紹介しました。


これです。↓
RIMG564877.jpg








そのハシビロコウを今度は飛ばしてみました。















ゆっくり飛んでいる姿はとても気持ちがいいものです。↓



キレイに飛ばすのがとても難しく、かなり苦労しましたが良く出来た方だと思います。




なぜ、このようなおもちゃを作ったのかと言うと、


ある高級おもちゃを扱うお店で、木で作った「カモメ」のモビールを見たのです。


その、美しい動きとシンプルなカラクリににビックリしてしまい…


そしてまた、例のごとく「俺が作ればもっと良いわ!」という馬鹿な了見も手伝い


アトリエに走って行って作りました。




ワイヤーの位置、ボディーと翼の重さの比率、取り付け位置、などなど。


コツが色々あるのですが、それは秘密です。






今日も来てくれてありがとうございました。

  1. 2010/07/27(火) 21:22:33|
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仙台四郎

仙台四郎さんの、


彫刻を作ろうと思ったのは、ふらリと入った古道具屋さんで仙台さんの置き物を見たからです。


ちなみに、こ汚い道具屋さんや、さびれた古本屋などは大好きで、見つけたら必ずのぞきに行きます。



だいたい、そこの親父さんは一寸変わった方が多くて、面白いのです。



で、店の片隅にホコリをたっぷり浴びて汚くなった仙台さんが、満面の笑みを浮かべていました。

目が合ってしまったのです。




ここで、普通はそれを買って家に帰るのですが、



「俺が作ったら、もっと良いわ!」



…となぜか、鼻息荒くアトリエに向かうのでした。




RIMG0043仙台1


実在の人物で、今は商売繁盛の神様だそうです。


RIMG0042仙台2


余談ですが、汚い店(老舗)好きは学生の頃からで、こんな目にも遭っております。


浪人生の時、京都の染物屋(汚い老舗)にふらリと入りました。


そこに、頑固一徹,The職人とでも言いましょうか、初老の男性が鎮座しておりました。



当時の僕は、肩まで伸ばしたボサボサ頭、浪人生特有の思いつめた表情。
汚いベルボトムジーンズ。これまた汚いぱんぱんに詰まったリュックサック。


こんな僕を見て染物屋の親父さん、開口一番。


「こっちに来て、座れ。」



それから、延々お説教でした。








弟子入りと勘違いされたんですね。





甘くねぇんだぞ。とか、考えなおせ。とか、とても親身になってくださいました。



僕は、必死に笑いを我慢しました。下を向いて。





それがかえって、肩を震わせて泣いている様に見えたらしく

大盛り上がり。


「こんなやさしい親父さんを裏切っちゃいけねぇ!」と


僕は『弟子入り志願者』を演じきったのです。






送りだされた時は、本当に涙が出てきました。



あの親父さん、元気かなぁと

時々、思い出します。






今日も来てくれてありがとうございます。


  1. 2010/07/12(月) 09:06:29|
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