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シド工日記 (しどこうにっき)

仏師の流れをくむ彫刻一家にたまたま生まれ、私自身は5代目の彫刻家です。田島享央己(たじま たかおき)と申します。美術界の「フチ」にかろうじて手をかけている者ですので、どうかご存知のない方はこれを機会に覚えていただけると嬉しいです。

Unnatural girl 2

作品倉庫のように、



なっている部屋に、



僕は入るたんびに驚いてしまいます。




僕が作った、等身大の女の人が裸で立っているからです。







ついこの間、完成したばかりですが

僕は作ったことを、かたっぱしから、忘れてしまうんです。




ですから、一瞬ですが、


「誰だ! 裸でこんなトコ立っちゃいけねェ!」と身構えてから、一人で苦笑するのです。



















hoso14.jpg








クスノキの細長い材があったので、彫ってみました。


身長は、僕よりずいぶん高くて、スタイルも良く、


隣りに立つと劣等感にさいなまれます。












僕の奥さんが

『下手くそなマネキン』

と呼んでいる作品の一つです。




hoso1.jpg

モデルはいなくて、 直彫りです。

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油絵具で着色しました。

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顔は、メイクの本を読んで研究して描いたんです。


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ひと筆ごとに、どんどん美人になっていくのでドキドキしてしまいます。

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髪もメイクも、緑色をメインにしました。

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森の精というイメージです。

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…と、いうのは嘘で、緑の絵具がいっぱいあったからです。

hoso11.jpg

こういう事言うから、ダメなのです。

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「森の精です。」と言える様になりたいんですが、

どうしても、照れちゃってダメなんです。



hoso13.jpg



来年は、言える様にがんばります。
















いつもブログを見てくださっている皆様。

本当にありがとうございます。






色々な感想を頂いて、とても励みになっております。



昔から、

彫刻家一人助けると、猫千匹助けるのと同じ功徳がある

と言います。









来年もどうか御贔屓に。

良いお年を。








今日も来てくれてありがとうございます。
  1. 2010/12/29(水) 07:24:22|
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馬頭観音 2

なかなか



 完成できない作品ということで、





以前に紹介した仏像が、やっとこさ完成しました。








いきさつは、こうです。









こういう途中の状態で、

image馬頭観音


ふとしたきっかけで、



自作の『仙台四郎』を乗せてみたら










仙台__ (10)




「こっちのほうが、面白いじゃんか…」



と、自信を失い


作るのを止めてしまったのです。





興味を失った作品をつめて行くのは、結構苦痛なのです。







それを、よちよちよちよち制作してなんとか仕上げました。






2年越しです。




















RIMG0024馬頭7




チョッキの色は『仙台師匠』ゆずりです。




RIMG0009馬頭1

まあまあ、可愛くできたかなぁ。


RIMG0008馬頭9



後ろと横にも顔があるのです。

RIMG0006馬頭3


RIMG0004馬頭8


大きさはこれくらい。 材はクスノキです。

RIMG0039馬頭6


















色も着いたし、クオリティもあがったし。



なかなかの迫力ではないでしょうか。




もう、ぜったい他の作品に食われないでしょう。














そこで、実験してみました。





























RIMG0035馬頭5

















「 ……!。」    




































RIMG0011馬頭2





























「 ………!!!!!???。」




































RIMG0033馬頭4












































今日も来てくれてありがとうございました……。
  1. 2010/10/20(水) 08:42:30|
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猫に蛸

『猫に蛸』という、



土人形がありまして


これは、200年以上も前から山形県米沢市に伝わる「相良人形」のひとつだそうです。







「相良人形」は、堤、花巻と並んで、東北の3大土人形のひとつにも数えられていて、


米沢藩主・上杉鷹山公が産業振興のために、彫刻が得意だった藩士の相良清左衛門に命じて作らせたことから

始まり、戦後一度廃絶してしまいましたが、


昭和42年に相良家の7代目・相良隆さんが復活させました。現在も隆さんが製作を続けているそうです。

















 先日、

 ある雑誌の、いわゆる土産物の特集を、何の気無しに見ていたら


『猫に蛸』 という土人形が、載っていました。



初めてその存在をしりましたが、その姿がめっぽう美しく、ユニークでめちゃめちゃ可愛い。




あまりにも素晴らしくて、




僕は、欲しくてたまらなくなりました。











「部屋に置いて、眺めたい。眺め暮したい!…。」









…と、言うわけで、作ってみました。
































猫に蛸2


蛸が、猫の首をしめています。



猫に蛸1







ですが、 猫は、まんざらでもない様子です。











後ろ頭に「とんま」な風情を漂わせ、

猫に蛸3



蛸は「どうや!」と、『どや顔』です。


猫に蛸4




大きさはこれくらいです。

猫に蛸5









この猫を助けていただける、優しいお方。いませんか?

猫に蛸6

















猫と僕を助けてくださいませ。









今日も来てくれてありがとうございます。
  1. 2010/10/04(月) 07:58:58|
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馬頭観音 1

かれこれ、



2年間くらいでしょうか。






ちんたらちんたら、やったりやらなかったりで、制作しているものです。



ですから、なかなか完成しないのです。



馬頭観音。










image馬頭観音





ふだんは完成まで一気に持っていくのですが、


これは途中で止めてしまいました。








なぜかと言うと、



本体の馬頭観音を、どけて


火炎の光背と台座を作っていた時です。






何の気なしに近くにあった「仙台四郎」の彫刻を乗せてみました。


























仙台__ (10)


かわいくて面白い馬頭観音を作ろうと思い頑張っていましたが、



「こっちの方がおもしろいじゃない………。」



とがっくりしてしまったのです。






それ以来、「ちんたらちんたら」です。



馬頭観音は、

手8本、顔も4個(後ろと横にもあるのです)とっても大変な作業でしたが

おちんちんを出して笑っているだけの仙台四郎に負けてしまいました。










「馬頭観音のも……、出してやろうか………。」





と一瞬頭をよぎりましたが、



バチが当たりそうなのでやめました。








今日も来てくれてありがとうございました。









  1. 2010/08/26(木) 08:32:06|
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馬と少年

制作途中に、


 色々なアイデアが突然浮かびます。


以前、ご紹介した『馬と少年』の途中でもヒラメキはありました。



これです。
(このトンマな背中とお尻が僕のお気に入りのアングルです。↓)

RIMG0011馬少


「あっ!!」っと思ってメガネをかけたのも、だいぶ最後の方の工程でした。




針金を曲げて作ったメガネをかけたらグッと作品が良くなった気がして嬉しくなりました。





   色々な発想が、バンバン出て来て暴走してしまう時があります。



この時は、メガネをかけたあたりから、調子に乗ってしまいました。









結局、ボツにしましたが、こんな事をしようとしてました。↓



かつら少年_




アホの魂フルスロットルの輝き。
「どう思って欲しい」のか、まるで見当もつかない自尊心のはてしなき迷走状態。



 コレをやらなきゃいけないのですが、度胸がなくボツにしてしまったわけです。



   今日も来てくれてありがとうございました。
  1. 2010/06/29(火) 20:26:50|
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